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随想 空即空(連載84)内村鑑三の最初の結婚と破局を巡って#ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

  新渡戸稲造アメリカ行きを見送ったのが九月一日とすれば、破局の約一ヶ月前である。タケの鑑三に対する不満、葛藤を同情心の深い新渡戸がどれくらい察していたか、直接的な資料はないので正確なことは言えないにしても、台南での女中に対する対応を照らし合わせれば、新渡戸がタケに同情的であったことは容易に想像がつく。タケにしてみれば、鑑三の性格も、鑑三とタケとの関係もよく知っていた新渡戸は心の支えでもあったろう。その新渡戸と今日かぎり会えないとなれば、感きわまって手を握ることぐらいするだろう。タケに限らず、結婚したからと言って女は女であり、女心は変わらない。マルメラードフは地下の居酒屋でぐうぜん出会ったロジオンを〈ものに感じる心〉をもった人間と直感した。同情心のあつい、〈ものに感じる心〉を持っていた新渡戸にタケが惹かれていたにしてもなんらふしぎではない。無粋で激情型の鑑三と結婚して離婚をすら考えていたタケが、鑑三と対極的な性格の新渡戸と結婚した方がよかったと思ったとしても一方的には責められない。鑑三には落語的な人情味がないが、新渡戸にはある。鑑三は激情に走って、自分の側に正義があると思いこむタイプで、微妙な女心を察して自分の主張を相対化する寛容さがない。鑑三は破局に際して自分を悲劇の主人公格に押し上げて、ひとり激しく煩悶苦悩にのたうち回り、相手の煩悶苦悩に寄り添う余裕を持てない。自分の手に余る不条理は、これすべて神に付託し、自分は神の忠実な僕であるということで片づけてしまう。わたしはとつぜん新渡戸の手を握ったタケの女心に限りなく寄り添おうと思う。そこから見えてくる新渡戸の優しさ、寛容、人間愛、信仰を素朴に感じたいと思う。アメリカ行きの船の中でひとり新渡戸は彼の手を握ったタケをどのように思い出していたろうか。鑑三、新渡戸、タケ三人の秘められた心の内を探索すれば、壮大な物語が展開されていくだろう。神、信仰、友情、恋愛、倫理、不義、野望など、彼らの物語には多くの重要なテーマが潜んでいる。

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