随想 空即空(連載86)内村鑑三の最初の結婚と破局を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#

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清水正

 政池仁はタケについて次のように書いている。

 

  タケ夫人は当時の日本としては最も学識の高い女であったが、婦人としての従順さと、やさしさを欠いていた。その上虚栄心が強く、また生来のうそつきであった。虚栄とうそとは内村の心から憎むところであった。しかるに彼女は見えすいたうそをいくつもついた。その上鑑三の母も仲々気の強い女であったのでタケとは始めから気が合わなかった。しかも新夫婦は老父母や鑑三の弟妹とも同居し僅か三部屋の小さい家に合計七名がすんでいた(「聖書の日本」一九七二年六月号「内村鑑三先生の住居」〔二〕渡辺五六)。そのためこの姑と嫁とは事ごとに意見がくい違い、タケは内村家にいるのがつらくなり、ついに離婚を申し出た。しかし鑑三は忍耐に忍耐を重ね、種々慰めて離婚を思いとどまらせようとした。けれども彼女はきかなかった。ある日鑑三が「武士の家庭として一旦しきいをまたいでこの家を出た以上は再び帰ることはできぬがよいか」と聞いたところ「もちろんです」と答えた。そしてついにタケは次兄浅田信治を東京に呼びよせ、正式に離婚を申し出、兄に連れられて永久に内村家を去ってしまった。「その時ぼくは白いゆかたを着ていた。お前の母が去っていく後姿を見送ってぼくは縁がわの上にうっ伏して泣いたのだ」と内村は後年その時の事を思い出して、二人の間に生まれた娘ノブに語った(筆者がノブに聞いたところ)。(89)

 

 鑑三とタケが結婚した当時、三間に合計六人が住んでいたとあるが、鑑三には弟三人(三男達三郎〔鑑三より三歳年下〕、四男道治〔鑑三より十歳年下〕、六男順也〔鑑三より十九歳年下〕)と妹ヨシ(宜子)〔鑑三より十五歳年下〕がいた。ヤソは八人の子供を生んだが三人(次男城次、長女コマツ、五男剛作)は亡くなっていた。従って当時の内村家の家族は合計すれば八人となるが、三男達三郎はすでに家を出ていたのかもしれない。鈴木俊郎『内村鑑三伝 米国留学まで』には「のちに祖父善八の弟、内村至之の跡をつぎ、別家した」(20)とある。

    いずれにしても三間に七人は多いし、鑑三は出張で一ヶ月も家に帰らないこともあった。こういう状況下におかれた新妻タケを思うとき、同情の余地は多分にある。責めるのは酷すぎると思うのだが、政池仁はタケに対して容赦がない。彼によればタケは婦人としての従順さとやさしさを欠いた、虚栄心の強い、生来のうそつきと断言されてしまう。さらに確固とした証拠を掴んでいる者のごとくに、タケはいくつもの〈見えすいたうそ〉をついていたと書いている。この〈うそ〉の中に年齢詐称、借りていた結婚衣裳のことが含まれるとしても、紛失した月給の事や不義疑惑の件に関してはどうなのであろうか。はっきり断定していないとは言え、政池仁の記述をそのまま読んでいくと、まるでタケが月給を盗んでいたのに知らないとしらを切っているように聞こえるし、実際誰かと不義を働いていたのに無実を主張していたようにも受け取れる。月給紛失の件に関しては警察にも届け出たたそうだが、はたして〈真実〉は究明されたのかどうか。不義に関してはそれこそ当事者にしか分からないことであるから、他人が勝手に推測することはできても真実は依然として霧の中である。

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