随想 空即空(連載22) 清水正 #ドストエフスキー&清水正ブログ#

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随想 空即空(連載22) #ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

 

 ふと思ったことだが、もし岩野泡鳴がこの白鳥の文章を読んだらどう思っただろうか。泡鳴自身が自分の発したとされる言葉を理解できなかったのではないか。ここで白鳥が書いている泡鳴の言葉は謂わば泡鳴の哲学の凝縮されたもの、すなわちエキスを意味しているとすれば、これらの言葉は読者に正確に伝えられなければならない。しかし白鳥の文章を読む限り、白鳥に泡鳴の言葉を正確に伝えようとする意思は感じられない。

〈超人〉も〈永遠の輪廻〉もニーチェ哲学の神髄であるが、これを泡鳴が〈馬鹿の寝言〉〈愚人の妄想〉として片づけているとなれば、やはり説明を求めるのは当然であろう。白鳥は〈超人〉や〈永遠の輪廻〉にさほど関心がなかったのであろうか。ニーチェは青年期、敬虔なキリスト教徒であったが後に反キリスト者となる。キリスト教の時間は創世から終末に至る直線的なものだが、ニーチェの時間は永遠回帰であるから起点も終点もない。〈今〉は過去から未来へと通過する一点ではなく、永遠の過去と永遠の未来とを包含する〈永遠〉である。従って泡鳴の言う「一瞬一瞬を生きる事がすべてであって、死の影を伴う生は生でない」は、彼が〈馬鹿の寝言〉〈愚人の妄想〉と拒絶したニーチェの哲学の方にむしろ親近性がある。

 泡鳴は白鳥と同じく、若い頃キリスト教に入信し、その後棄教した経験を持っている。なぜ棄教したのか、その理由を白鳥は具体的に語っていない。そこから白鳥の棄教と再入信に関する様々な憶測が飛び交うことになった。しかし泡鳴の場合は、少なくとも白鳥よりは棄教の原因は明白である。敬虔なキリスト者からすれば、ニーチェの〈超人〉〈永遠の輪廻〉は〈馬鹿の寝言〉であり〈愚人の妄想〉に他ならない。して見ると、反キリスト者・泡鳴は白鳥に面と向かって〈馬鹿の寝言〉〈愚人の妄想〉を彼自らが大胆不敵に語ったと見ることもできる。説明なしの白鳥の文章は、そこに泡鳴自身の確固たる思想を貶める詐術が働いていたと見ることすら可能である。2022/12/09 05:36

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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