随想 空即空(連載23) #ドストエフスキー&清水正ブログ# 清水正

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随想 空即空(連載23) #ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

 

 岩野泡鳴は白鳥の前で自ら〈馬鹿〉〈愚人〉を大胆に演じていたかもしないのである。わたしは改めて白鳥油断ならず、といった思いを強くする。なにしろ白鳥は、棄教して聖書を凡書と書きながら、死ぬ間際にアーメンと口にして再入信した男である。惚れた男に嫉妬して、バカ、クズ、ロクデナシと散々罵詈雑言をあびせ、最後に泣きながら抱きつくような女がいる。白鳥の棄教と再入信のドラマに、そのような女心と共通するものを感じる。バカ、クズ、ロクデナシを文字通りまともに受け止めることはあまりに女心を知らない者ということになる。

 白鳥の言う「死の影を伴う生」とは死に対して恐怖を抱いている白鳥の中途半端な生であるが、この生は「一瞬一瞬を生きる事がすべて」と見る泡鳴によって即座に否定されてしまう。しかし、白鳥の文章を読む限り、白鳥は泡鳴の自信満々の否定によっても「死の影を伴う生」から脱却できないし、どうやらそのつもりもないらしい。バカ、クズ、ロクデナシと罵詈雑言を浴びせた男(キリスト教)と別れる気はなかったと言ってもいい。白鳥は反キリスト者ニーチェの〈超人〉〈永遠の輪廻〉という〈馬鹿の寝言〉〈愚人の妄想〉に心を寄せることはなかったし、彼はあくまでも〈キリスト教〉に惚れていながら、それに向かって懐疑と不信を飽くことなくぶつけていたと言えようか。

    男は、屈折した惚れた女の複雑な心理に振り回されがちだが、はたして泡鳴はどうだったろうか。泡鳴の自信満々は、白鳥の信仰と懐疑における〈秘中の秘〉の内奥に踏み込んでいくことはできなかったかもしれない。「一瞬一瞬を生きる事がすべて」と見る泡鳴の思想は、創始と終末のキリスト教の時間論とは相容れないが、白鳥はここでも相手と深く対話する気はないらしい。

 

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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