随想 空即空(連載35) #ドストエフスキー&清水正ブログ# 清水正

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清水正

 

内村鑑三正宗白鳥──信仰をめぐって──

 キリスト信徒の慰めもまた〈慰められたつもり〉であり、それは〈一時の気休め〉でしかないのだということを白鳥は強調している。否、さりげなく記している。キリスト教の神を信じたところで、所詮、愛する者を失った時の悲しみは完全には慰められるものではない。それはそうに違いない。キリスト信徒であろうがなかろうが、残された者は悲しみを胸に抱いて生きるよりほかはない。問題は、洗礼を受けた経験のある白鳥が鑑三の言葉に素直に従っていないことである。鑑三の悲しみも怒りも悶えも分かっていながら、白鳥は自らを〈キリスト信徒〉に重ねることはできずにいる。

 内村鑑三の『キリスト信徒のなぐさめ』を詳細に読み込めば、鑑三におけるキリスト教信仰の奥義が明らかになるだろう。白鳥はそういったテキストに踏み込んだ詳細緻密な批評を展開することはしない。白鳥は理屈を積み重ねるような批評を〈勿体ぶった廻りくどさ〉と見ているのか、彼の表現はぶっきらぼうで素朴の観がある。鑑三の記した言葉にからみつくようにして自らの意見を発するということがない。白鳥の内村鑑三に関する言葉は端的であり、それは鑑三の信仰とは対極にある者としての言葉になっている。従って白鳥の書いた『内村鑑三』は表面上はかなり分かりやすい。白鳥はあくまでも非キリスト者として言葉を発している。白鳥は意図的と思えるほど、非キリスト者の立場を守っている。

内村鑑三』を読んで、白鳥をキリスト者と見なす者はいないだろう。が、白鳥はキリスト教の重要な教義に関して具体的に批判したり拒否したりしていないことも確かである。白鳥はキリストの死後三日目の復活を認めないのか。キリストの〈命〉であり〈復活〉を認めないのか。神の〈恩寵〉を認めないのか。イエスを神の独り子であるということを認めないのか。鑑三はこれらすべてを認め、キリスト者としての慰めを得んとしている。もし白鳥が鑑三の信じるキリスト教を認めないのであれば、当然、イエスをキリストを見ることはできず、イエスをこの世界に派遣した父なる神を信じていないことになる。

    それでは、キリスト教を棄教した白鳥はいったい何に救いを求めたのか。キリスト教の神に代わる絶対的な存在を頼りにしていたのであろうか。それとももはや、白鳥は救いなどを求める必要のない悟りの境地に達していたのであろうか。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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