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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載32) #ドストエフスキー&清水正ブログ#
内村鑑三の『余はいかにしてキリスト信徒になりしか』を最初に読んだとき、わたしは鑑三はキリスト信徒ではないと直観した。このわたしの直観がどこからきたのか、いずれきちんと書かなければならないとは思いながら、五十年の月日が過ぎ去った。ここでわたしが提出した素朴な疑問に関して鑑三はきちと答えることができるのだろうか。
内村鑑三の代表的な著作に関しては腰をいれて批評しなければならないと思っているが、ここではあくまで白鳥の鑑三評を軸に感想を述べていくことにしたい。
先に鑑三の〈つもり〉について書いたが、さらに白鳥の鑑三に対する懐疑を確認しておこう。白鳥は次のように書いている。
「基督信徒の慰め」は、六章に分れている。「愛するものの失せし時」「国人に捨てられし時」「基督教会に捨てられし時」「事業に失敗せし時」「貧に迫りし時」「不治の病に罹りし時」である。いづれも著者の実感に基いた者であるので、その文章が読者の胸に迫って来るのである。こゝに叙せられているような体験が、小説として有るがまゝに描写されたなら、波瀾ある人生として読者の心を惹いたであろうが、それは内村に期待されないことであった、小説を嫌い演劇を嫌った内村は、聖書が傑れた小説として読まるべく、演劇味にも富んでいる事は気づかなかったのである。そして、「基督信徒の慰め」の筆者は、こゝに叙せられる通りに完全に慰めを得ていたのであろうか。私はそれを疑っている。小説家の素質を持った文人が、こゝにあるような体験、こゝにあるような心境を微細に描写したなら、詰りは本当の慰めなんか得られないことに決着しないであろうか。この書を発足のはじめとして、文筆によって身を立てた彼は、一生の最後まで、基督信徒の慰めを書き通したようなものであったが、彼は果して完全な慰めを得て日を過していたであろうか。私はそれを疑っている。(352)
内村鑑三はキリスト信徒の〈慰め〉を書いているが、白鳥はこの〈慰め〉を疑っている。先の〈つもり〉で言えば、鑑三はキリスト教の神に帰依することで〈完全な慰め〉を得た〈つもり〉になっていただけなのではないかと疑っているのである。白鳥は鑑三の文章が体験に裏付けられた、読む者に深い感動を与えるものであることを率直に認めている。白鳥もまた七十年の人生を生きてきて多くの悲哀や絶望を味わったことだろう。その白鳥が、たとえ〈基督信徒〉になったとしても、〈完全な慰め〉を得ることはできないと思っているのである。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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