プーチンと『罪と罰』(連載45)

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プーチンと『罪と罰』(連載45)

清水正

 

 事実にとどまるほかないが、事実にとどまりたくはない。事実にとどまりたくないが、事実にとどまるほかはない。これがイヴァンの精神が行き着いた地点であり、それは痛みと苦しみを伴った精神の分裂を露呈している。わたしはこの精神の分裂と共に生きるほかはないという諦念のうちにあり続けている。

    事実は人間の善悪観念などを超えて事実であり、世界はあるようにあり、なるようにしかならない。運命に逆らうことも、事実に苦しみ悩むことも絶対不可避の事実である。オイディプスにとって父を殺し、母と臥所を共にする運命に逆らい逃れること自体が、すでに運命の内にあったということである。

 人間の自由な意識活動そのものもまた運命の内にあると認めるわたしは、すべての事象を全肯定するほかはない。わたしは必然=自由の境地を生きているから、すべては許されている。しかし、この境地はイヴァンの言う「神がなければすべては許されている」ということではない。神があろうがなかろうが、そんなことには関係なくすべてが許されているということである。

 イヴァンの語る数々の〈理不尽〉は謂わば人間主体の観念によって成立するが、世界は人間ばかりでなく、その他の生物や物質によって成り立っている。人間はその自然の中の一部を占めているに過ぎない。イヴァンに限らず、ドストエフスキーの人物たちは、神を信仰する者も、神を否定する者も、人間をあらゆる存在の頂点に位置するものとしてとらえている。

 イヴァンは子供の理不尽な不幸、残虐な死について語るが、殺されて人間の食料にされる動物たちについてはいっさい語らない。イヴァンが神に求める公平・正義・真理は人間世界において適用されるものであって、それは人間以外のすべての生物を度外視している。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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