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プーチンと『罪と罰』(連載51)

清水正

 

 見習い修道僧アリョーシャの内部に〈悪魔の子供〉(бесёнок)が潜んでいたことは分かった。はたしてこれは、未だアリョーシャが真のキリスト者でなかったこと、〈未熟な博愛家〉(ранний человеколюбец)の段階にとどまっていたことを意味しているだけなのか。

 イヴァンは八歳の子供を虐殺した将軍の話を終えた後、すぐにアリョーシャに向かって「この将軍は銃殺にすべきか?」〔Расстрелять?〕と問い、アリョーシャはすぐに「銃殺にすべきです!」と答えている。この同じ問いをキリストに向けた場合、キリストはどのように答えるのであろうか。沈黙を守るのであろうか、それともアリョーシャと同じ言葉を発するのであろうか。前者であれば、キリストはイヴァンの問いに答えたことにはならないし、後者であればキリストの中にも〈悪魔の子供〉が潜んでいたことになる。

 キリストを一人の人間と見れば、彼がアリョーシャと同様の言葉を発してもべつに何ら不思議ではない。それともキリストは一人の人間であったとしても「汝の敵を愛せよ」ということで将軍を「赦しなさい」と言うのであろうか。それにしても、我が子を殺された母親に向かって「赦しなさい」という言葉がどれほどの力を持つだろうか。

 イヴァンは言う「母親だってその暴君をゆるす権利はないのだ! もしたって望むなら、自分だけの分をゆるすがいい、自分の母親としての無量の苦痛をゆるしてやるがいい、しかし、八つ裂きにせられたわが子の苦痛は、決してゆるす権利を持っていない。たとえわが子がゆるすと言っても、その暴君をゆるすわけにいかない! もしそうとすれば、もしみんながゆるす権利を持っていないとすれば、いったいどこに調和があるんだ?」と。

 イヴァンは子供を犠牲にして成立するような世界の調和を認めない。さて、キリストはイヴァンの疑問と抗議にどう答えるのか。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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