随想 空即空(連載57) #ドストエフスキー&清水正ブログ# 清水正  

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随想 空即空(連載57) #ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

 

 キリスト教の神は人格神であるからきわめて人間臭い要素を備えている。自然は人間の意志とは関係なく自然であるが、キリスト教の神は人間の願望や期待に密接に繋がっている。神は人間の願望や祈りに応えるものとして設定されているが、たとえ人間の願望や祈りに全く応えない場合でも、その絶対性が覆されることはない。旧約の神は、『ヨブ記』において明確なように、悪魔と結託して試みたり、裁いたり、罰したりするが、この神に絶対帰依する者にとってはあくまでも正義を体現するものとして崇められることになる。信仰は背理ということで、神に対する抗議はいっさい認められることはない。神に対して魂の慄えをもって抗議したヨブも、『ヨブ記』の最終章においてはこの全能の神の前に服従する者として描かれている。理性的な人間が、どうしてこういった理不尽な神の前に跪くことができるか不思議である。〈キリスト者〉は、一度は徹底して旧約の神に反逆し、その桎梏の綱から解放されなければならないと思うが、キリストさえもが旧約の神の呪縛から自由な存在であったとは思えない。もし、ヨブが旧約の神から解放されて〈キリスト〉になったのであれば、ヨブの自由な精神はイエスにも引き継がれたであろうが、どういうわけかヨブは旧約の神の桎梏から解放されず、逆に帰依する存在となり果ててしまった。

 『ヨブ記』を自らの魂の問題として熟読した内村鑑三は、ヨブとイエスの血縁関係を看破していたが、しかし彼もまた旧約の神の桎梏から解放された〈キリスト者〉となることはできなかった。鑑三は愛する者を失って、キリスト教の神に不信と懐疑を抱きながらも、しかしその不信と懐疑は神そのものの根拠自体を瓦解させるだけの力に欠けていた。神に人間的な愛と赦しを求めながら、理不尽極まりなき神の前に絶対服従するとはどういうことなのか。イヴァン・カラマーゾフキリスト教ロシア正教)の圏内から誕生した人物であるから、神に反逆の狼煙をあげたことで狂気を招き込んでしまったことを理解できないわけでもない。イヴァンは神の存在を認めた上で、神に反逆し続けた青年であり、吉村善夫が指摘するようにドストエフスキー文学に登場する〈人神論者〉の多くは、神の存在を信じている者なのである。彼らの反逆は、彼らが神に正義・公平・真理を求めていたことの証である。しかしそれにしても、仏教的な文化、多神教の風土に生まれ育った者が、キリスト教の神に帰依するとはいったいどういうことなのか。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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