清水正の著作、レポートなどの問い合わせ、「Д文学通信」掲載記事・論文に関する感想などあればわたし宛のメール shimizumasashi20@gmail.com にお送りください
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
お勧め動画・ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk&t=187s
清水正の著作購読希望者は下記をクリックしてください。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/msxyh0208
清水正・画
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。 #ドストエフスキー・清水正ブログ#
有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載39) #ドストエフスキー&清水正ブログ#
白鳥は一度洗礼を受けたにも拘わらず棄教した。鑑三は愛する者が死んで、深く嘆き、深く悲しみ、神に対して不信と懐疑を抱いたにも拘わらず、なぜ棄教しなかったのか。棄教した白鳥と信仰を保持した鑑三との違いはどこにあるのか。鑑三は不信と懐疑を超えて、神への信仰を捨てなかった。まさに鑑三は日本のヨブと呼ばれるに相応しい信仰者と言える。わたしは『ヨブ記』を読んで、ヨブの〈わが魂の震え〉を以てなす神への抗議の言葉に、まさにわたしもまた激しく〈わが魂〉を震わせた。しかし、わたしは『ヨブ記』が前提としている神を初めから認めていない。ヨブの信じる正義は神を前提にしているが、わたしにはその前提がそもそもない。悪魔と相談してヨブの信仰を試みること自体が、すでに神が正義と無関係の存在であることを明白にしているので、こういった神に正義を求めること自体が筋違いということになる。
イヴァン・カラマーゾフの場合も基本はヨブと同じで、彼は神にこの地上世界における正義・公平・真理の体現者を求めている。イヴァンの言う〈справедливоть〉(正義・公平・真理)は人間にのみ通用する概念であって人間以外のいかなる生物にも適用されない。キリスト教も仏教も〈殺すなかれ〉と説いているが、人間の食料として屠殺される動物を全く問題にしていない。肉食動物が草食動物を殺して食することは謂わば〈自然の摂理〉であってそこにいかなる善悪観念も紛れ込むことはない。人間も自然の内にあり、この摂理に従って生きている。
ドストエフスキーは『悪霊』のニコライ・タヴローギンにおいて〈善悪観念〉が摩滅した人間の典型を描いたが、しかしこのニコライもまたキリスト教の圏内から解放されることはなかった。『悪霊』で最も無神論的な人物はピョートル・ヴェルホヴェーンスキーであるが、この表面上は秘密革命結社の首魁で、実は二重スパイであった彼の虚無の精神世界に最も率直に〈キリスト〉の言葉が響くというこの逆説が理解できないと、ピョートルはいつまでたっても〈ニコライの猿〉の似非衣装を脱ぐことはできない。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
エデンの南 清水正コーナー
動画「清水正チャンネル」https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%B8%85%E6%B0%B4%E6%AD%A3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB
お勧め動画・ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk&t=187s
清水正の著作購読希望者は下記をクリックしてください。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/msxyh0208
お勧め動画・池田大作氏の「人間革命」をとりあげ、ドストエフスキーの文学、ニーチェの永劫回帰・アポロン対ディオニュソス、ベルグソンの時間論などを踏まえながら
人間のあるべき姿を検証する。人道主義(ヒューマニズム)と宗教の問題。対話によって世界平和の実現とその維持は可能なのか。人道主義と一神教的絶対主義は握手することが可能なのか。三回に分けて発信していますがぜひ最後までご覧ください。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。