随想 空即空(連載65)内村鑑三の再臨説を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ# 清水正
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随想 空即空(連載65)内村鑑三の再臨説を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#
松沢弘陽は「近代日本と内村鑑三」で、鑑三の心中に革命を引き起こしたのは愛する娘ルツ子の死(一九一二年)であったと指摘し、次のように続けている。
内村はすでに、教育勅語不敬事件の迫害の渦中で愛する妻を失い、このころ数年の間に、母と父を次々に失っていた。しかし、内村がこのような思想的混迷と苦闘のさなかにいる時、愛娘が一七歳で世を去ったという出来事は、内村の信仰と思想に大きな影響を与えた。内村はもはや、現世への「野心」はいっさいなくなり、復活・永遠の生命・天国だけが関心のすべてになった、と告白するのである。(『内村鑑三』日本の名著38 中央公論社 58)
ふだん人間は生活の中でとくべつ死について思いもせず、従って復活など真剣に考えもしない。生きている者で自らの死を体験することはできない。他者の死を通してのみ人間は死に関して思いをいたす。その他者が肉親であった場合、特に愛する子供の死であった場合、残された者の悲しみは尋常ではない。人間は例外なく死すべき存在であったとしても、そんな認識は何の役にも立たない。現代の医学をもってしても不治の病に苦しむ者は多い。我が子が絶対に助からないことを知っている親の絶望の顔を見ることは忍びがたい。しかもその絶望を我が子に覚られてはならないのである。
わたしは息子の入院していた小児科病棟の光景を未だ語る気にはならない。祈りによって我が子が不治の病から救われるのなら、祈りに応えてくれた神の力を信じ、感謝の気持ちに溢れるかもしれない。が、現実は冷酷である。必死の祈りは叶わず、死を予め定められた宿命として受け入れるほかはない。神が存在するか、存在しないか、そんなことすらもはや問題ではない。死んだ子供が天国にいくか地獄にいくかなど、改めて問う気さえ起こらない。地獄があるとすればそれは現世にあり、天国があるとすればそれは現世にある。死んで天国で一緒になろうという、切ない幻想にひたることもしない。わたしを支えているのは死者と共にあるという考えだけである。我が子は死んだが、わたしの内で我が子はいつも生きている。忘れたことはない。わたしは書くことが祈りとなった。祈り続けるなかで我が子は永遠の生命を保持している。別に虚無主義に陥っているわけではない。ただ受け入れているだけである。ニーチェ的全肯定の恍惚感など微塵も感じないが、わたしは苦しみと悲しみと共にある存在であることに充足している。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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