随想 空即空(連載115)内村鑑三の不敬事件を巡って

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清水正

 

 わたしは団塊世代の一員で、学生時代は全共闘運動が盛んであった。この政治運動は過激度を増し、遂に連合赤軍による浅間山荘事件で幕を下ろすことになる。当時の新聞、テレビは過激派の内ゲバによる殺人事件を連日伝えていた。

 しかしここで注意しなければならないのは、過激な革命運動に参加していた学生は全体から見れば少数であったということである。大半の学生はノンポリとして彼らの熱い政治劇を野次馬的に傍観していたに過ぎない。またわたしのように、ドストエフスキー文学に心酔し、意識的拱手傍観者として冷静な眼差しを送っていた者がいたことを忘れてもらっては困る。

 ドストエフスキーは『悪霊』で社会主義者たちの欺瞞や、その思慮の浅いバカさ加減を徹底的に揶揄していた。わたしの見るところ、当時の革命運動家がドストエフスキー文学を読んでいたとはとうてい思えないし、たとえ読んでいても理解できなかったことは明白である。

 当時の日本の文芸評論家や小説家でドストエフスキー文学の影響を受けた者は確かに存在したが、『悪霊』一冊とってもその世界をまともに覗き見た者は一人もいない。ましてや受験勉強に明け暮れて、自分の頭で考えることをしてこなかった大学生が、ドストエフスキーが提示した諸問題の本質を把握することなどできるはずもない。

 自意識過剰の地下生活者は〈意識的な拱手傍観の生活〉をするしかないが、活動家は一義的な正義や真理を宗教上の神と同様に絶対視して微塵も疑うことを知らない。ドストエフスキーは『地下生活者の手記』で「すべての直情径行的の人間や活動家は、彼らが鈍感で浅薄な人間であればこそ、そのために実行的に出来ているのだ」(米川正夫訳)と書いている。

 要するに、活動家などというものはおしなべてバカであると断言しているのだが、この地下生活者の戯れ言に反駁できる活動家はいないだろう。マルクス経済学には人間学が見事に欠落している。人間は表向き〈自由、平等、友愛〉の実現などと口にしても、権力を握った者でそんなことを信じている者は一人もいない。人間に生来的に備わっている諸々の欲望は、浅薄な活動家が口にする〈正義〉などなんなく呑み込んでしまうのである。

 共産主義者が権力を握った時、彼は独裁者となって多くの人民を犠牲にして涙一粒流すことはない。ドストエフスキーが『悪霊』のシガリョフを通して描いた未来の革命国家の絶対専制主義の単純極まる構図さえ、未だに革命家は理解しようとしない。活動家の〈バカ〉は依然として健在ということか。空しいのは、〈バカ〉は自意識家の皮肉やユーモアも理解できないということだ。

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