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モーパッサン『ベラミ』を読む(連載2)

──『罪と罰』と関連づけながら──

清水 正

罪と罰』では、わたしは〈1ルーブリ〉は〈1万円〉、〈1コペイカ〉は〈100円〉と見なした。一九九〇年~二〇二二年の今日まで大卒新入社員の給料は税込みで20万前後に落ち着いており、〈1ルーブリ=1万円〉と見なすと、マルメラードフの給料は23万4000円、マルメラードフがソーニャにせびった酒代が3000円となり、作品を読み進む上で実にしっくりとする。十九世紀フランス文学の場合、〈1フラン〉を〈500円〉〈1000円〉〈2000円〉などと見なすことができるそうで、これは換算基準をどこに置くかによって異なる。

 佐野栄一は「バルザックの時代の一フラン」という論文で「バルザックの時代、一フランの価値はいったいどのくいであったのだろうか。十九世紀のレアリスム小説、とりわけ『人間喜劇』を読む際、もし当時の一フランが現代のいくらくらいに当たるか見当がつかなければ、およそドラマは真の迫力に欠き、登場人物の心理にも十分感情移入できないだろう。『人間喜劇』では、しばしば金銭の問題がドラマの背景をなし、主要な細部を形成しているからである。この問題は、他の作家以上に、バルザックにおいては重要である」と書いている。

 佐野の指摘はまさにその通りで、バルザックの影響を多大に受けているドストエフスキーの場合も、作品解読の上で〈金銭〉は重要な位置を占めている。今回、わたしはモーパッサンの『ベラミ』で、〈金銭〉がどのような意味を持っているのかも視野に入れて読もうと思っているが、佐野は従来の〈1フラン=500円〉説に対して〈1フラン=1000円〉説を前面に押し出している。〈500円〉と〈1000円〉では二倍も違うが、さらに〈1フラン=2000円〉説もあるとなると、これはもう科学的論拠というよりは、文学作品を読む上でのセンスに重点がかかってくるように思える。たとえば『罪と罰』での〈1ルーブリ=1000円〉と見なす者もあるが、これだとマルメラードフの給料は二万四千円、マルメラードフがソーニャにせびった酒代は三百円となる。こんな非現実的な不自然な換算では『罪と罰』のリアリティは損なわれるだけである。バルザックモーパッサンの作品を同一次元で扱うことはできないだろうが、『ベラミ』の場合、とりあえず〈1フラン〉を現代日本の〈2000円〉と見なして読み進めていくことにしよう。

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令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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