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『清水正・ドストエフスキー論全集』第4巻「手塚治虫版『罪と罰』を読む」
著者 清水正 発行所 D文学研究会 発行日 2009年4月10日(初版)
定価 3500円+税 判型 A5判(上製本)ページ数 全415ページ
目次
・手塚治虫は天才なのか!?
・なぜ『罪と罰』を子ども向けに漫画化する必要があるのか!?
・なぜ英語表記「CRIME AND PUNISHMENT 」なのか!?
・手塚治虫が読んだ『罪と罰』のテキストと月報
・手塚治虫が描いたドストエフスキーの肖像画
・ロシア語表記にタイトル
・鳥の眼で描かれたペテルブルク
・猫の眼でとらえられたペテルブルク
・『罪と罰』の主人公
・ラスコルニコフの帽子と服装
・老婆宅までの道程
・漫画の描き方
──〈省略〉〈誇張〉〈変形〉──
・原作と漫画の老婆アリョーナ
・主人公の部屋
・主人公の理論
・斧──犯行の道具
・手が四本指の主人公たち
・老婆宅に到る会談と踊り場
・二人のペンキ職人
・斧を持った〈少年〉ラルコルニコフ
・老婆宅を訪れる原作ラスコーリニコフ
・ペンキ職人の仕事場
・原作ラスコーリニコフの犯行現場
・省略されたラスコーリニコフの二つの犯行
・犯行後のラスコルニコフの逃亡
・冤罪で逮捕されるニコライ
・原作ラスコーリニコフの犯行後の逃亡
・手塚治虫の〈省略〉の横暴
・原作『罪と罰』における時計時間
──ドストエフスキー文学の本質からはずれた手塚治虫の原作解体と再構築──
・国家権力と一庶民
・原作におけるミコライ逮捕劇
・酔漢マルメラードフの登場
・ポルフィーリイ判事の登場
──〈犯罪に関する論文〉をめぐって──
・屋根裏部屋に戻ったラスコルニコフ
・母親の手紙
──原作と漫画の決定的な違い──
・犯行の翌日
──漫画と原作の相違点──
・突然の訪問者
・原作に秘められた男と女の性的関係
・ラルコルニコフとポルフィーリイの対決場面
・手塚治虫が〈省略〉した信仰の問題
・原作ラズミーヒンの鋭い指摘
・ラスコーリニコフの〈無罪〉を信ずるラズミーヒン/147
・漫画版〈手紙〉の改ざん/151
・ラスコーリニコフとザメートフの対決/157
──原作と漫画を照合しながら──
・「人間は卑劣な存在だ!」/177
──しかし、もしそうでないとすれば──
・ラスコルニコフとマルメラードフの出会い/181
・やせ馬殺しとマルメラードフの死/183
・原作ラスコーリニコフの見た恐ろしい夢/191
・マルメラードフの臨終/201
──マルメラードフ一家が抱え込んでいた闇──
・原作カチェリーナの肖像/204
・ソーニャの〈踏み越え〉に隠されたドラマ/207
・ソーニャ登場の場面/214
・『罪と罰』最大のテーマ/224
──〈復活〉という〈踏み越え〉──
・漫画ラスコルニコフとルージンの出会い/228
──打算で成立した婚約と、その破綻のドラマ──
・母プリヘーリヤと息子ロージャ/231
──母を殺した息子は内なる〈ルージン〉を憎悪する──
・ルージンの悪イメージの源泉/235
──プリヘーリヤの手紙の特質性──
・神を信ずるテロリスト/241
・原作ラスコーリニコフとルージンの出会い/243
・ルージンという存在/249
──〈損得勘定〉と〈魂〉──
・ラスコーリニコフとルージンの対話/252
・ルージンの肖像/256
・原作に見るルージンとラスコーリニコフの決裂場面/262
・三年ぶりの再会/265
──母と息子の間に潜む深淵──
・ルージンからの手紙/274
・想像力の欠如/280
・リザヴェータ殺しの神秘/283
・ソーニャの登場/285
・ルージンとの対決/292
・ルージンの卑劣/299
・ハチャメチャな通夜の場面/301
──グロテスクなカーニバル空間──
・ルージンの仕掛けた冤罪事件/309
・バフチンのカーニバル理論をめぐって/320
・カチェリーナの特異な性格/326
・『罪と罰』の読み直し/330
・カチェリーナとリップヴェフゼリ夫人の激しい口喧嘩/336
・スキャンダラスな冤罪事件をめぐって/343
──卑劣漢はルージンだけなのか──
・『罪と罰』の少女漫画的な設定/347
──ドストエフスキー文学における大いなる母性の欠如──
・スヴィドリガイロフを省略した手塚治虫/350
・手塚版法事後のラスコルニコフとソーニャ/351
・手塚漫画における〈省略〉の功罪/355
・手塚版ラスコルニコフとポルフィーリイの対決場面/368
・ポルフィーリイとの闘いを終えたラスコルニコフの孤独/371
・下水道の〈闇〉の中から出現するスビドリガイロフ/372
──〈革命家〉と自分を天才と錯覚した〈凡人〉の闘い──
・愚弄された進歩思想家レベジャートニコフと恰好いい革命家スビドリガイロフ/377
・〈同志〉から〈敵対者〉へ/378
・決定的決裂/384
・オイディプス的野望(父殺し)の挫折/386
・虚構の舞台──復活への道/388
──ソーニャによって傷を癒されるラスコルニコフ──
・殺人の告白/393
──〈革命の嵐〉を背景にして──
・悪魔に憑かれた者と神を信仰する者/396
・革命前夜のペテルブルク/398
・〈階段〉を降りて〈広場〉へ/401
・カーニバル空間としての広場/404
──相対化された〈革命〉と〈神〉──
・原作ラスコーリニコフの大地への接吻/406
・〈革命家〉と〈民衆〉の乖離/408
・原作ラスコーリニコフの永遠の伴侶ソーニャ/410
・瓦礫と化したペテルブルクを去り行くラスコルニコフ/411
──手塚治虫の虚無──
・あとがき/414
栞
・「雑誌「るうじん」のこと」近藤承神子
・「清水宴会」校條剛
・「続・「あちら側」のドストエフスキー論」此経啓助
・「伝説は終わらない」下原敏彦
・「清水先生は熱い」五十嵐綾野
・「山脈への覚悟」浅沼璞
・『清水正・ドストエフスキー論全集4 手塚治虫版『罪と罰』を読む』
日本を代表する漫画家・手塚治虫が漫画化したドストエフスキーの『罪と罰』について論じている。全体の流れだけではなく、漫画の一コマ一コマに着目した大作だ。コマに込めた意味や、描いた作家本人ですら気付いていない深層の部分にすら触れている。丁寧さと作品に対する鋭く的確な視線には驚かされるだろう。「マルメラードフの告白」「ラザロの復活」「復活の曙光」これらドストエフスキー文学の神髄に触れる部分を、手塚はすべて省略している。そこに、手塚のドストエフスキー理解の限界と独自性を、著者は見出している。
«Масаси Симидзу - полное собрание работ о Достоевском. Том 4 - читаем «Преступление и наказание» в версии Осаму Тэдзуки.
Данная книга представляет собой критический анализ манги “Преступление и наказание”, которую создал знаменитый японский манга-ка Осаму Тэдзука. Эта книга уделяет внимание не только общей канве повествования, но и также каждому отдельному рисунку. Раскрывается скрытый смысл, заложенный в рисунке, о котором сам художник мог и не догадываться. Поражает внимание к деталям произведения и проницательность.
«Исповедь Мармеладова», «Воскресение Лазаря», «Рассвет воскресения» - самую суть литературы Достоевского, Тэдзука просто опускает. Автор видит в этом ограниченность и в то же время уникальность понимания Достоевского Тэдзукой.
ドストエフスキー文学に関心のあるひとはぜひご覧ください。
「清水正先生大勤労感謝祭」の記念講演会の録画です。
https://www.youtube.com/watch?v=_a6TPEBWvmw&t=1s
「池田大作の『人間革命』を語る──ドストエフスキー文学との関連において──」
動画「清水正チャンネル」で観ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=bKlpsJTBPhc
清水正の著作はアマゾンまたはヤフオクで購読してください。https://auctions.yahoo.co.jp/seller/msxyh0208
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これを観ると清水正のドストエフスキー論の神髄の一端がうかがえます。日芸文芸学科の専門科目「文芸批評論」の平成二十七年度の授業より録画したものです。是非ごらんください。