星エリナのほろよいハイボール(連載80)
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星エリナのほろよいハイボール(連載80)
奢られ慣れていない
星エリナ
B型の私はA型女子よりきっちりしていない。「サバサバしてる性格なんです〜」って自分で言うわけではないけれど、良い意味でも悪い意味でもアバウトな性格だ。
女の子同士でごはんを食べに行くと、一円単位で割り勘する子がいる。
「じゃー、一人1032円ね」
一人1000円でいいよ、端数払うからさ。って思ってしまう私。でもそうすると、
「えっ本当に? 端数あるよね? いくら?」
と端数をしっかり把握している。結果、一円単位で割り勘になる。女の子は良い意味でも悪い意味でも、したたかでケチなのだ。
先生方を除くと、自分はあまり奢られたことがない。合コンで知り合った男の子と飲みに行ったときも割り勘というわけではないけれど、しっかり払った。年上の人と飲んだときも、少なくとも1000円は必ず払うようにしていた。
特に男性と食事するときは、奢られたくないという謎のポリシーを持っていたのだ。全額奢られてしまうと、私はあなたとお付き合いしてもいいですよ、という意思表示になってしまうと思うからだ。少しでもお金を払っていれば、あなたはまだお友達の域ですよ、という意思表示になる。だから、「奢ってもらう相手=心を許している相手」という公式が私のなかにある。
こういった謎のポリシーは女の子みんな持っているものだと思う。付き合ってなくても手は繋いじゃう。でもチューは絶対にしない!とか。年上はいいけど年下やいや!とか。どうでもいいよって思えるようなポリシーは、自分を保つために実は必要なものなのです。
ところが最近私のポリシーが崩れてしまった。男の人と飲みに行って、奢られてしまったのだ。しかも二人に。絶対に払う、絶対に全額は奢られない、と気合を入れていったのだけれど、私がお手洗いへ行っている間に払われてしまった。
もう一人は小学生のころからの幼馴染の男の子。最近四年間付き合っていた彼女にフラれ傷心の彼だったけれど、「付き合わせてごめん」と言ってなんと奢ってくれた。いや、いいよ払うよ。いや、いいよ奢るよ。このやりとりすらなんだか恥ずかしく感じるくらい仲良しの親友。
「いやー悪いね! ゴチになりまーす」
なんてありがたく奢ってもらったほうが慣れている感じがしていいかな。それにしても可愛げがない返事。こんな謎の意地で崩れていいのか私のポリシー。
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