星エリナのほろよいハイボール(連載49)

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星エリナのほろよいハイボール(連載49)


キツネに会ってきた
星エリナ

   高速道路を運転したのはたぶん一年くらいぶり。だんだん雪がちらついてきて、スタッドレスタイヤだけどやっぱりひやひやした。宮城県に突入。今年(昨年)の年末は蔵王でまったり過ごす。
 二泊三日だった。中日はスノーボードをしようと決めていた。初日はまず白石市へ行き、伊達政宗の側近、片倉小十郎が城主だった白石城へ向かった。震災のときに、城壁などが破損したが、募金や寄付金で復旧した。残念ながら城内へは入れなかったが、雪がちらりちらりと降っている城はとても美しかった。
 ホテルへ行くと、地元の観光地のパンフレットがたくさん置いてあった。そこを念入りに見る。なんでかっていうと、スキー場の割引券とかがよく置いてあるから。女の子にとってクーポンとかってすごく大切なんです。スキー場の割引券は見つからなかったけれど、面白いものを発見してしまった。蔵王キツネ村。キツネ村って、キツネが住んでるのかな。どんな村だ!!!あまりにも気になった私は、最終日にキツネ村に行くことにした。
 車がたくさん走っている道路は雪が溶けている。逆に、車がぜんぜん走らない道路はぜんぜん溶けてない。キツネ村へ向かう道は、雪がぜんぜん溶けていなかった。ホテルの周辺は雪も降っていなかったのに、大粒の雪がほとほとと降ってる。前日に営業しているかは聞いておいたから大丈夫だと思うんだけど、本当に、大丈夫? 心配になる。山を少し登っていくと、キツネ村はこちら、という看板が。少しだけ安心。ホテルから車で20分くらいしたころに、ようやく到着。門をくぐると歩くためだけに雪かきされた跡が残っている。たぶん、夏には両脇に動物のオブジェなどが迎えてくれるんだろうけれど、雪で埋まってる。たぬきらしき顔だけが雪から出てる。こわい。
 入場料を払うとお姉さんが簡単に説明をしてくれる。
「手を出すと噛まれますので気をつけてくださいね。手を出さなくても足を噛まれたりしますから足を降って逃げてください」
 え、なに、噛まれるの? 最初の注意なんだったの? 手をださなくても噛まれるの?
「落し物は絶対に帰ってきませんので諦めてください」
 言いたいことはわかるんだけど諦めてくださいってそんなに!? そんなに脅す!?
 写真を撮りまくりたかった私はちょっとびびって、「写真撮っても大丈夫ですか」と聞いてみる。
「大丈夫ですよー。でもまわり見ながら撮ってくださいね」
 お姉さんの笑顔が怖い。
 結構どきどきしながらキツネ村に入園。なかは100匹以上のキツネが放し飼いにされていた。でも思っていたよりみんな大人しくて、足にも噛まれなかった。写真撮るときも目線をくれるかわいい子もいたし、真横を一緒に歩いて散歩してくれる子もいたし、本当に幸せだった。
 雪とキツネって似合うんだなあー。
  

※肖像写真は本人の許可を得て撮影・掲載しています。無断転用は固くお断りいたします。