小林リズムの紙のむだづかい(連載267)

小林リズムの紙のむだづかい(連載267)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


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小林リズムの紙のむだづかい(連載267)
小林リズム
  【やさしさはどこからつくられるのか】

  

 小学6年生の女の子の悩み。
『友達に、よく“物を貸して”と頼まれます。わたしは、本当はいやだけど、きらわれたらもっとイヤだから貸してあげます。さっきも好きな人からもらったシャーペンを、その子に貸してと言われてイラッとしてしまいました。わたしはどうすればいいですか?』

 …そんなこと言われても…。と思った。どうすればもこうすればも、割り切るしかないでしょう、と。どうしても貸すのが嫌なら言うしかないし、言えないなら貸すしかない。何もしなくても自分の思い通りに物事が進むことなんてあるわけないんだから。神に願ったとしたって、現実なんて変わらないんだし…。と、小学6年生の女の子を相手にして思ってしまった。白黒はっきりつけたいタイプのわたしは、なかなか人に優しくなれないし、同情もできない。だからきっと、いつもいろんな人の弱い部分を踏みつけていくし、しかもそのことにさえ気づいていないと思う。もっと神経擦り減らして人を気遣いながら生きたほうがいいような気もしてくる。

 わたしが頭を悩ませていると、先輩がさらっとその女の子に「人に貸したものは、たくさんの幸せを吸収してあなたのところに戻ってくるんだよ」と説明していたので、びっくりした。ちょっと大げさに言うと、視界がぱーっと開けたようだった。そういう発想があるのか…。思いやりと優しさと愛にあふれる言葉だと思った。誰も傷つけないし、誰のことも否定しない。愛が地球を救うっていうのは、こういうことの積み重ねなのかもしれない。わたしが感動していると、「物をなくしたときは、その物が自分のなかの悪いものを吸収して役目を果たしたからなくなったんだよ、…って説明するの」と教えてくれた。

 人は信じたい物事を信じるのだと、本に書いてあった。そこには、大切な人が亡くなったとき、霊媒師とか予言者とかそこらへんの人がやってきて「この人はまだ生きているから火葬してはいけません」と言い出したら、どうしたって焼けないだろうという…ということが例に出されていた。冷静に考えれば人間の歴史のなかで生き返るなんてことはありえないとわかってはいても…信じるよね。そうなったらいいなって思う未来を信じてしまう。それが不可能であればあるほど、信じたい気持ちは強まっていくと思う。わたしだって、もしどこかの偉い人が「君はダイヤモンドの原石だよ!毎日朝の5時にトイレ掃除をすることで、いつかきっと成功するに違いない」と言われたら、律儀に毎朝4時50分に目覚ましのアラームをセットして、5時ぴったりの時間に便器を磨くと思う。そしてその「朝5時に便器を拭いている」という事実のみをよりどころとして、いつかは成功すると信じて過ごしていくと思う。ふと、我に返るときまで。

  
   
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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