小林リズムの紙のむだづかい(連載230)

小林リズムの紙のむだづかい(連載230)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

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ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載230)
小林リズム
 【反省文1】


   
「ねえ、リズムちゃんて店長とデキてるの?」
そう聞かれたのはいつだったっけ。ふたりで仕事をしているとき、年上のパートをしている女性に言われたのだった。
「いや、ないですよ〜。何言ってるんですか〜。店長は妻子持ちですよ」
と返したのだけど、内心動揺しまくりだった。ああ、そうか。きっとほかの人にもそう思われているのか…。気づかないふりを通していたけれど、店長から特別扱いをされている自覚はあった。他の人と比べてもずっと「親切」に「優しく」接してくれている。
 バイトのシフトの融通もかなりきかせてもらったし、周りに内緒にして毎日わたしのぶんのお菓子を買って冷蔵庫に入れていたし、心配もしてくれた。甘やかしてもらっていたのだ。

 もちろんそんな特別待遇を前にして一緒に働いている年輩女性たちは納得いくはずもなく、陰ではいろいろと言われた。「若いっていいよねぇ」「得してるよねぇ」。面倒くさかった。ただでさえこの間大学を卒業したわたしがフリーターというポジションでここで働いているのは物珍しくうつる。「いいね、若いから未来があって」「これから結婚もできるしね」と放たれる言葉の裏側をひとつひとつ読み取ってしまうことに疲れていた。わたしは徹底的に鈍感なふりをし続けた。店長から気に入られていることにも、自分が若いということにも。メイクはいつも適当だし、髪の毛もぼさぼさの状態で出勤して、外見にも無頓着で興味のない女の子を続けていた。「彼氏ほしいですね〜」という言葉もやたらと連呼した。「わたし、恋人もいないし未来もないし、あなたたちにとって無害な女ですよ」と。

 店長から毎日メールが届く、やたらとスキンシップが多い、ふたりきりになりたがる、ぜんぶ気づかないふりをしてやり過ごした。なんといっても相手は妻子持ちなのだし、好意をスルーすることに罪悪感なんてなかった。メールの返信はほとんどしなかったし、ふたりきりになってもサバサバとした対応をとるどころか、キツイことや失礼な言葉も放った。でも逆にそれが「近しい関係」というイメージをつけてしまったのだとしたら、わたしはどうすればよかったんだろう。
  
 

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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