神田伯山を観る読む

   2023年2月13日たまたま神田伯山のyoutube動画を観てはまった。その時はまだ伯山が人気者であることを知らなかったが、動画を観続けて納得した。確かに彼は講談界のみならず演芸界のヒーローにふさわしい講釈師である。彼の妻が仕切っているyoutube番組「神田伯山ティービィー」はほとんど観た。特に真打披露公演を楽屋主体で追った連続動画は見ごたえがあった。気が付けばあっと言う間に29本を観終えていた。カメラ担当者はもとより、スタッフの信頼関係で結ばれたチームワークも素晴らしい。主役は伯山だが、これらの動画を観ていると楽屋に集まった落語家、漫才師、講談家、奇術師、前座の人たちなどに仲間のような親しみを感じる。動画の作り手が演芸界全体を視野に入れているのがよく伝わってくる。

   伯山の書いている本、インタビュー、対談を読むと、彼の野心は相当なものだ。六代目神田伯山はやがて講談界をまとめ上げるだけでなく、日本の伝統芸能を蘇生させる大いなる力を発揮することになるだろう。

    話は逸れるが、伯山は江古田にある武蔵大学の出身者である。江古田と言えばわが日芸の所在地であるが、伯山の才能をいち早く認めたのが放送作家高田文夫、漫才師の太田光、落語家の立川志らくである。皆さんよくご存知のように三人ともに日本大学芸術学部出身者及び中退者である。日芸は昔から卒業者よりも中退者の方が世の中で成功すると言われたりもするが、私と同世代の高田文夫は放送学科をきちんと卒業している。因みに、伯山の姉弟子の神田阿久鯉日芸の放送学科出身である。私は出身校である日芸をこよなく愛しているので、その意味でも伯山とその仲間たちを応援していこうと思っている。本日はここまで。

 

近況報告

パソコンがネットに繋がらないのでブログに記事を書くことが出来なかった。一日のほとんどを横になって過ごしている。今書いている原稿に必要な文献は全てヤフオクとアマゾン、それに「日本の古本屋」で入手している。毎日、落札購入した本が何冊か届く。私が横になっている布団のまわりは本だらけ、必要なものを読みながら頭の中で原稿を書いている。実際に書く時はポメラ持参で風呂に入る。風呂に入ると神経痛の痛みが和らぐので、ここ数年の間は原稿執筆はもっぱら風呂につかってすることになった。

小林秀雄正宗白鳥の対談から論を進めて岩野泡鳴、吉村善夫、内村鑑三へとやって来た。彼らの思想や信仰の問題をドストエフスキーの文学と照らし合わせながら探究しているわけだが、読まなければならない文献も多くそうとう時間がかかりそうだ。焦らずじっくり取り組んでいくことにしたい。

 

 

 

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 吉村善夫は「新版あとがき」において、なぜ『作家の日記』を取り上げなかったかについて弁明している。吉村善夫はドストエフスキーを偉大な信仰思想家と見なし、彼の作品に出会うことでキリスト教信仰に還ることができたと書いている。が、『作家の日記』を論じるとなると彼をきびしく批判しなければならない。それは忍びがたいというのである。『作家の日記』には戦争を肯定するような意見も書かれている。作品において人間に対する深い同情・憐憫を強調してやまないドストエフスキーが、『作家の日記』においてはロシア正教徒の義憤にかられた戦争を熱狂的に支持している。愛と赦しを説くキリストに従う者が、大義を得れば人殺しを支持するということはどういうことであろうか。キリストは「殺すなかれ」と言っていたのではなかったか。『作家の日記』におけるドストエフスキーの戦争支持は、彼を〈偉大な思想家〉と見た吉村善夫にとって本来、避けて通れぬ重要な問題であったはずである。ドストエフスキーはポリフォニック的思考法を存分に駆使してグロテスクなカーニバル的世界を描いた。その作品世界では、すべての人物は等価であり、各々が独自の個性と思想をぶつけ合っている。〈作者〉は交響楽団の指揮者として〈作中人物〉(演奏家)に対して依怙贔屓のない公平な立場を守っている。ところが『作家の日記』は一人称代名詞〈私〉(я)によって記され、大半の読者はその〈私〉を短絡的にドストエフスキー自身と結びつける。

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発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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 吉村善夫はシベリアでのロジオンの、復活の曙光に輝いた姿を文字通り認めるのであろうか。もし、そうだとしても、スヴィドリガイロフやポルフィーリイ予審判事が提起している信仰上の問題に関しては何ら納得のいく説明をなしていない。

    「まったくおしまいになってしまった」ポルフィーリイはロジオンにキリストの言葉に従えとアドバイスできる男だが、この男自身は神を信仰しているのか不明である。ロジオンと〈同じ森の獣〉であるスヴィドリガイロフはドゥーニャに拒絶され、ピストル自殺して果てる。スヴィドリガイロフ(Свидригайлов)は〈ラザロの復活〉朗読場面の〈立会人・目撃者〉(свидетель)であり、〈現実的に奇跡を起こす人〉(чудотворец)であった。スヴィドリガイロフはソーニャを淫売稼業から救いだし、三千ルーブリの金銭的援助を施す。ソーニャがロジオンをシベリアに追って行けたのはまさにスヴィドリガイロフのおかげである。

    わたしの見るところ、ロジオンとソーニャは性的関係(霊肉合致の関係)を持っているが、このロジオンと〈同じ森の獣〉であったスヴィドリガイロフはロジオンより前にソーニャと性的関係を取り結んでいる。スヴィドリガイロフは単に〈ラザロの復活〉朗読場面を壁一枚隔てた隣室で立ち会っていたばかりでなく、ロジオンとソーニャの〈霊肉合体〉の場面にも立ち会っている。『罪と罰』をきれいごとの〈少女小説〉の次元でのみ読んでいたのでは、この小説を真に理解したとは言えない。

    『罪と罰』という偉大な思想小説、宗教小説を壮大緻密な〈私小説〉風に再構成すれば〈少女小説〉は一挙に霊肉を賦与された人物間のリアルな物語へと変貌することになろう。わたしはそれを〈批評〉で実現しているのである。要するに『罪と罰』における愛と信仰の問題は、ロジオンやソーニャ、マルメラードフやカチェリーナだけを追っていてもだめなのである。スヴィドリガイロフ、ポルフィーリイ予審判事、レベジャートニコフ、ルージン等にも深い眼差しを送らなければならない。

    作者はレベジャートニコフにも〈キリスト幻想〉を賦与している。また熱くもない冷たくもない、神の口から吐き出されてしまう〈生ぬるき者〉ルージンをも〈愛と信仰〉の次元で取り上げなければならない。わたしの〈批評〉の眼差しは、神が吐き出した者にさえ眼差しを注ぐ、当然、殺されたアリョーナ婆さんやリザヴェータもその例外ではない。ユダヤキリスト教の神では充足し得ない問題がある。わたしはそれらを視野において〈愛と信仰〉、〈不信と懐疑〉を問題にしているのである。

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 ドストエフスキーを読んでキリスト教信徒になれるということはどういうことなのか。人間の心の中には、神と悪魔が存在していて永遠に決着のつかない闘いをしている、とドミートリイ・カラマーゾフは語った。それを聴いているアリョーシャはそのことをすぐに認める。なぜならアリョーシャの内にも悪魔が潜んでいるからだ。もし、心の内の神が悪魔に勝利を収めたら、いったい人間の精神はどのような働きをするのだろうか。もしそれが実現したら人間に固有の精神世界は消滅してしまうのではなかろうか。イヴァンは、この世界はプラスとマイナスから出来ているのでそれ以外ではないと語っていた。人間世界に悲しみ、苦しみがなくなれば、喜びも楽しみもなくなる。喜怒哀楽はそのどれもが欠けていても人間精神を成立させることはできない。音楽、演劇、文学、宗教が成り立つのは、要するに人間の精神世界に〈神〉と〈悪魔〉が決着のつかない闘いを続けているからであって、宮沢賢治が言うような「世界全体が幸福」になるということは要するに世界そのものが消滅するということである。世界が続く限り、人間が生存する限り、各人は自らの喜怒哀楽のドラマを生きるほかはない。

 わたしはユダヤキリスト教の全能の神に人間独自の〈正義・公平・真理〉を求めること自体に納得がいかない。全能の神の意志を絶対と見る神学を受け入れるよりは、自然の摂理を認める方がはるかに理にかなっている。理性的・知性的思考を保持する者が〈背理〉としての信仰をどうして受け入れることができるのか。これはわたしにとっては重要問題で、だからこそ、「弁証法の代わりに生活が到来した」という、『罪と罰』エピローグでのロジオンに対する作者の言葉を繰り返し何度でも問題にするのである。わたしの理性的思考は〈弁証法〉(диалектика)の代わりに〈生活〉(жизнь)が到来したというロジオン・ラスコーリニコフの〈新生活〉を具体的にイメージすることはできない。『罪と罰』が復活の曙光に輝くロジオン・ラスコーリニコフの物語として幕を下ろした以上、わたしはこの作品を〈偉大な宗教思想〉を孕んだ〈幻想小説少女小説〉ととらえるほかはない。こう書いたからと言ってわたしは〈少女小説〉をバカにしているわけではない。ドストエフスキー文学によって鍛え上げられたわたしの理性的思考力は、十八歳の少女娼婦に〈お母っさん〉の救済的イメージを賦与した『罪と罰』のエピローグに納得がいかないと言っているまでのことである。

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 吉村善夫は『ドストエフスキイ――近代精神克服の記録』(一九六五年十月 新教出版社)の「新版あとがき」で「私は本書においてもっぱらドストエフスキイの思想そのものを論じて、私自身のことには一言もふれなかった。けれども、いまあえてそれを言うなら、私にとってドストエフスキイは、ひとたび失った信仰を回復させてくれた甦生の導師であり、心から畏敬し鐘愛する偉大な信仰思想家である」と書いている。

 この文章からだけでも吉村善夫がドストエフスキーと真剣に立ち向かっていたことが理解できる。わたしはキリスト教に入信したことも棄教したこともないので、吉村善夫が言う〈甦生の導師〉を実感することはできない。わたしはドストエフスキーが〈偉大な信仰思想家〉であることは理解できるが、だからと言って彼を即〈キリスト者〉と見ることはできない。ドストエフスキー文学を読めば読むほど、ドストエフスキーの世界は目眩くディオニュソス的世界であると認めざるを得ない。ドストエフスキーの言葉を借りて言えば、ドストエフスキーは信仰を深めれば深めるほど不信と懐疑も深まる、そういった一義に収まることのない生成流動する精神世界のただ中に生きた小説家である。アリョーシャ・カラマーゾフの〈信仰〉がイヴァンの〈不信と懐疑〉を解消させることはできなかったし、アリーシャ自身の内にも〈悪魔の子供〉が宿っていたことを忘れるわけにはいかない。

    わたしはドストエフスキー文学を読み続けて、キリスト教に対する不信と懐疑を依然として抱き続けているが、別にそのことで苦しむようなことはない。わたしは信仰そのものを否定しないし、わたしなりの信仰観を持っているので、キリスト教の教義に疑問を感じることはあっても、そのことでわたしの信仰そのものが揺らぐことはない。不思議なのは、ドストエフスキー文学を熟読し、批評本一冊を書き上げた吉村善夫が、再びキリスト教の信仰に戻ったという事である。

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 『罪と罰』はロジオン・ラスコーリニコフが復活の曙光に輝いた場面で幕を下ろしたが、ロジオンの提起した諸問題がそのことですべて解決したわけではない。神の存在と信仰の問題は、わたしの目には何も解決していない。ロジオンは依然として二人の女を殺害したことに関して〈罪〉(грех)の意識を感じていない。罪の意識を感じない者が、復活の曙光に輝くとはどういうことなのか。作者ドストエフスキーはこの点に関して特に言及していない。それに殺された二人の女の問題はどうなのか。アリョーナ婆さんは〈社会のダニ〉扱いされて殺されてしまい、リザヴェータは殺害現場の目撃者ということだけで殺されてしまった。『罪と罰』全編を通してロジオンがリザヴェータ殺害に対して良心の呵責に苦しめられる場面はない。『罪と罰』の読者の大半は主人公ロジオンに多大の興味を持って読み進めるが、殺された二人の女に関しては、特にリザヴェータに関してはその存在さえ忘れられがちである。敏腕なポルフィーリイ予審判事でさえ、ロジオンが殺したのはアリョーナ婆さん一人だけであったかのようセリフを吐いている。

    私は初めて『罪と罰』論を執筆した二十歳の昔から、リザヴェータ殺害に注目していた。ロジオンの非凡人思想(アリョーナ婆さん殺し)の背後に革命思想が隠されていたことはリザヴェータ殺しによって明確になる。革命家教理問答においてネチャーエフは、革命という目的のためにはすべてが許されていることを明記している。リザヴェータは善良なキリスト者であるが、ロジオンの犯罪を目撃した以上は殺される運命にあったのである。恐るべきは、革命理論においては〈リザヴェータ殺し〉は〈母親プリヘーリヤ殺し〉〈妹ドウーニャ殺し〉〈ソーニャ殺し〉……を予め内包しているということである。『罪と罰』において作者ドストエフスキーはロジオンの犯行現場の目撃者に母や妹、ソーニャなどを敢えて設定しはしなかったが、理論上はそうなるのである。『罪と罰』の読者はドストエフスキーがテキストに仕掛けた〈革命理論〉を認識することができずに、エピローグでの殺人者の復活の曙光に感激したりする。本当にロジオンの復活に感動するなら、自らもまたキリスト者にならなければならないだろう。『罪と罰』を真剣に読むとは自らの実存に賭けて読むということである。

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