随想 空即空(連載101)内村鑑三の不敬事件を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#

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随想 空即空(連載101)内村鑑三の不敬事件を巡って#ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

鑑三は先輩たちの強制によって「イエスを信ずる者たちの契約」に署名したが、断固としてキリスト教を拒んだ者がある。第四期生の志賀重昂である。明治十四年七月九日、鑑三は卒業式において卒業生代表として告別演説をしている。この演説を聞いていた志賀(当時一年生十九歳)は次のような感想を日記に記している。

 

 終リテ内村氏卒業生ニ代リテ校長ニ多年教育ノ厚キヲ奉謝セラル尋デ御雇教師ニ奉謝セラル言辞活撥覚ヘズ人ヲシテ動揺セシム尋デ三年生及ビ吾輩ヲ奨励スルノ語アリ嗚呼氏は耶蘇教ノ徒ナリ故ニ常ニ吾輩ト仇敵ナリシガ今日其慷慨悲憤ノ言辞ヲ以テ吾輩ヲ奨励シタリシハ仇ナガラモ至誠ノ至リ然ラシムル処覚エズ感涙ヲ滞フシタリ次に同級生ニ向ヒ今吾輩は本校ノ学科ヲ卒業シタリト雖モ決シテ温飽ニ安ズルモノニ非ラズコレヨリ艱難ノ道ニ入リヌベシ今日ハ其艱難ノ途ノ門戸ナリ諸君ヨ請フ安逸ニ甘ゼズ其屍ヲ北海ノ浜ニ暴ラスノ素志ヲ棄ツル勿レト謂ヒ終リテ衆為メニ泣キ黙焉トシテ前ノ如ク一モ拍手スルモノハアラザリキ賓客モ知ラズソゞロ涙ヲ流サレタルベシ(鈴木俊郎『内村鑑三伝』に拠る 190)

 

 志賀重昂の日記は卒業式における鑑三の演説が聴衆に深い感動を与えたことを鮮烈に伝えている。正宗白鳥の証言にもあったように鑑三の演説は聴く者の心を烈しく揺さぶるものであったらしい。が、わたしがここに強調したいのは鑑三の演説ぶりではない。第一期生、第二期生の多くがキリスト教の洗礼を受けた農学校にあって、志賀重昂は毅然として祖国伝来の信仰を保持していることである。〈耶蘇教ノ徒〉鑑三を志賀重昂は明確に〈仇敵〉として捉えている。

 鑑三と志賀重昂のあいだにどのような会話があったのか、それを伝える資料はない。第二期生でキリスト教徒となった鑑三、太田(新渡戸)稻造、宮部金吾らは志賀重昂に「イエスを信ずる者たちの契約」の署名を迫るようなことはなかったのであろうか。まったくなかったのであればそれも不思議だが、勧誘があればそこでどのようなやりとりがあったのか、はなはだ興味深いが、こういった点に関する資料が残されていないのはどういうわけだろう。鑑三の『余は如何にして基督信徒となりし乎』を読んでも、彼が具体的にどのような内的必然性があってキリスト教に入信したのか分からないし、また志賀重昂の日記を読んでも、彼がどうして基督者鑑三の〈仇敵〉にとどまったのか分からない。

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