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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載72)内村鑑三の最初の結婚と破局を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#
鑑三の手紙を読んでいると、彼は彼の苦しみに浸っていて、タケの側に寄り添って彼女の心を斟酌することがない。一度は愛し合って、親の反対を押し切って結婚した相手を〈羊の皮を被った狼〉と非難することなど、それこそ〈武士道〉に反することではないのか。宮部金吾や太田(新渡戸)稻造に宛てた手紙は全集に収められ、多くの読者の目に触れることになる。今これを執筆している時点で、わたしはタケの鑑三宛の手紙や手記(日記)の類など何一つ知らない。
研究者たちの評伝によれば、タケが鑑三の家を出たときには、すでに鑑三の子供を身ごもっており、タケが子供(ノブ)を生んだ後、アメリカにいる鑑三の元に二度にわたって手紙を出している。この手紙を鑑三は破棄してしまったとかで残されていない。従ってその内容を直接に知るものは、書いたタケとそれを受け取った鑑三以外にはない。タケがその内容を家族の者にでも話しているなり、見せてでもいれば、その内容のあらましは伝わっている可能性もあるが、今や確かめようもない。評伝によれば、タケはノブを盾にとって鑑三との復縁を迫ったようであるが、それが真実であるかどうかは分からない。ふつうの感覚でもって考えれば、一度は怒りの感情に駆られて鑑三の家を飛び出したとはいえ、鑑三との間の子供が生まれたとなれば、復縁を願うタケの気持ちは素直に受け取れる。タケにしてみれば、家を出て行ったことは、鑑三との決定的な別れを意味していなかったことになる。一方、鑑三の離縁の意志は固い。タケが兄に連れられて家を去るとき、鑑三は一度家を出たら二度と鑑三家に戻ることは許されないと宣告する。
鑑三は武士の子供、家督を継いだ長男である。鑑三はことタケとの離縁に関しては「武士に二言はない」を頑なに守っている。しかし何度も言うようだが、武士が、たとえ農学校時代からの親友とはいえ、離縁した女の悪口など書き連ねて送るだろうか。鑑三はタケが去っていく後ろ姿を見ながら、縁側に泣き伏したそうだが、こんな武士など聞いたことも見たこともない。わたしは、天使とも立派な連れ添いとも思っていたタケが、嘘つきで、見栄っ張りで、金銭にだらしなく、姦淫までしていたというなら、鑑三の苦しみがどれほどのものであったか同情するにやぶさかではない。ただ、問題は鑑三の手紙を読んだだけでは、タケの不埒の行為が具体的にどういうものであったのか全く分からないということである。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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