随想 空即空(連載145)兵役拒否を巡って

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随想 空即空(連載145)兵役拒否を巡って

清水正  

 

 山本泰次郎は第二の問題に関しては次のように書いている。

 

 山本泰次郎は鑑三の抱え込んでいる矛盾は鑑三ひとりのものではなく、聖書にも、神にも矛盾はあると言って鑑三の矛盾を擁護している。この擁護にわたしはなにも説得力を感じない。矛盾は矛盾であって、鑑三の矛盾を聖書と神の矛盾によって正当化することはできない。聖書にも神にも矛盾があるなら、それを直視し、改めて矛盾の神そのものと向き合わなければならない。そうでなければ矛盾を抱えた鑑三の教訓はご都合主義と批判されても仕方がないだろう。

 聖書の矛盾、神の矛盾をそのまま認める信仰とはいったいなんなのだろう。聖書を読んだこともない文盲の信者が、聖書の矛盾、神の矛盾に気付かずに信仰しているのならまだしも、近代的知性や理性を身につけた知識人が、聖書に矛盾を発見しながら、それを看過して全面的に受容するとはどういうことなのか、わたしにはさっぱりわからない。まずは神の矛盾というものをしっかりと見ておく必要があろう。

 「殺してはならない」これは「出エジプト記」20章13節の神の言葉である。この言葉は神の言葉であるから絶対である。しかしこの言葉の意味するところは明確ではない。誰が、何を殺してはならないのか具体的に示されていない。具体的に指示されていないことによって様々な解釈が生じることになる。同じ唯一絶対の神を信じる者を殺してはならないが、異教徒は殺してもかまわないと言っているのか。もしそうだとすれば「殺してはならない」の言葉のうちに「殺してもよい」という命令が潜んでいることになる。現に旧約の神は異教徒の殲滅をはっきりと断言している。

 「ヨシュア記」を読めば、神の残酷さは徹底していることを誰もが納得せざるを得ないだろう。「出エジプト記」20章5節には「あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし」と書いてある。旧約の神は〈妬む神〉〈報復する神〉であることを自らの口から発している。しかも「出エジプト記」で神は「殺してはならない」と命じながら、同時に「殺す」ことを許してもいる。

 「出エジプト記」21章12節~17節には「人を打って死なせた者は、必ず殺されなければならない。ただし、彼に殺意がなく、神が御手によって事を起こされた場合、わたしはあなたに彼ののがれる場所を指定しよう。しかし、人が、ほしいままに隣人を襲い、策略をめぐらして殺した場合、この者を、わたしの祭壇のところからでも連れ出して殺さなければならない。自分の父または母を打つ者は、必ず殺されなければならない。人をさらった者は、その人を売っていても、自分の手もとに置いていても、必ず殺さなければならない。自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない」と書かれている。要するに「殺してはならない」はどんな場合にも適用される絶対命令ではない。ここに引用した場合においては「必ずころされなければならない」のである。

 殺しの都度、神が顕現して裁きの言葉を発するのなら問題はなかろうが、そうでない場合、その〈殺し〉が神の意に叶っているのかそうでないのか、いったい誰が裁定にあたるのだろうか。神の言葉の矛盾に関して、信者はもはやお手上げだろう。

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