清水正の著作、D文学研究会発行の著作に関する問い合わせは下記のメール shimizumasashi20@gmail.com にお送りください
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
お勧め動画・ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk&t=187s
清水正の著作購読希望者は下記をクリックしてください。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/msxyh0208
清水正・画
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。 #ドストエフスキー・清水正ブログ#
有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載155)兵役拒否を巡って
鑑三は無抵抗主義反対の第三として次のように書いている「即ち無抵抗主義は縦(よ)し個人間には実行し得るとするも国家間には到底、之を応用することは出来ない、爾うして国家間の争闘なるものは是れ全く私怨より離れたるものであるから、抵抗は此場合に於ては反て美徳であると」(142)。自国家が他国家と戦争をしている時に無抵抗主義を貫こうとすれば、当然の事として自国家から厳しい弾劾を受けることを覚悟しなければならない。国家が戦争要員として徴兵を義務づけた場合、非戦論者であり無抵抗主義者である鑑三は自らの主張に忠実であれば当然の事として兵役拒否をしなければならない。まさか鑑三は国家の要請(徴兵)に対しても無抵抗主義を貫けと主張しているのではなかろう。ふつうならこれは皮肉の言ですまされるが、すでに見た通り鑑三は弟子宗次郎の兵役拒否に翻意を促している。〈まさか〉が現に行われたのである。いったいなんのための無抵抗主義なのか、絶対平和主義者を自称する鑑三の無抵抗主義が国家の要請に対しても無抵抗を貫くというのであれば、もはや冗談にもならない。
鑑三は「我国が他国に向つて戦闘を開いて居る時に際して、無抵抗主義を国家に勧むるが如きは吾等の大に心困(こころぐる)しく感ずる所である、然かしながら真理は真理であつて、動かすべからざる者である」(142)と書いている。鑑三は無抵抗主義を国家に向けて勧めることは心苦しいと書いているが、これは彼が無抵抗主義を自ら机上の空論・理想論と見なしていたことの一つの証である。国家も戦争も現実そのものであって、そこに空想や理想をあてがっても何の力にもならない。鑑三はキリスト教徒としての〈真理〉(非戦論、無抵抗主義)を説いているが、戦争という現実に於いてそれらは無力であり、逆に国家の力を殺ぐ力としかならない。国家の冷徹な論理は国家の方針に反逆する無抵抗主義者に対して容赦のない弾圧を加えてくるのは必至である。つまり小学生でもわかるように、無抵抗主義を妥協せずに主張し続ければ、無抵抗主義者は国家自体と戦わなければならなくなるのである。鑑三は非戦論者のトルストイまで持ち出して自らの無抵抗主義の正当化をはかっているが、その非現実性はすでに露呈している。が、鑑三はどこまでもそのロマンチックな非現実的な無抵抗主義にこだわり続けている。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。
エデンの南 清水正コーナー
動画「清水正チャンネル」https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%B8%85%E6%B0%B4%E6%AD%A3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB
お勧め動画・ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ https://www.youtube.com/watch?v=MlzGm9Ikmzk&t=187s
清水正の著作購読希望者は下記をクリックしてください。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/msxyh0208
お勧め動画・池田大作氏の「人間革命」をとりあげ、ドストエフスキーの文学、ニーチェの永劫回帰・アポロン対ディオニュソス、ベルグソンの時間論などを踏まえながら
人間のあるべき姿を検証する。人道主義(ヒューマニズム)と宗教の問題。対話によって世界平和の実現とその維持は可能なのか。人道主義と一神教的絶対主義は握手することが可能なのか。三回に分けて発信していますがぜひ最後までご覧ください。
大学教育人気ブログランキングに参加しています。応援してくださる方は押してください。よろしくお願いします。