小林リズムの紙のむだづかい(連載282)

小林リズムの紙のむだづかい(連載282)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。

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ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/


四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/

小林リズムの紙のむだづかい(連載282)
小林リズム
      【嘘つき】  

  朝起きてテレビをつけたら、都議会でコントが繰り広げられていた。なんでも5000万円を持ち帰るときに使用したとされる鞄に、その金額が入らないともめているという内容らしい。
「この鞄に5000万円入りませんよね」
「いや、入ります」
というやりとりのもと、無理やり鞄をこじ開けて押し込んでいる姿は滑稽で笑えた。そして「中に仕切りがあって入らない…」という、どうしようもない結末に声をあげて笑ってしまった。同時に、都知事が可哀想に見えて切なくなった。私もよく嘘をつくからわかる。簡単にバレてしまう嘘はみっともなく、滑稽で、痛々しい。自分でまいた種の収拾がつかなくなり、つき通すしかない本人がたぶん一番つらい。傍から見れば茶番なのに、己の名誉のために必死になる無意味な行為。もうどうやったって名誉挽回は不可能なのに認められない。途中から、なんのために嘘をついているのかさえわからなくなってくる。こうなると弁解でもない。「嘘」がステップアップして「嘘をついたことを隠す嘘」にまで変化すると、隠したいという気持ちはさらに強固になる。

 もう隠せていないとわかりながらも逃げ続ける。事実から、周りの人から、何より自分から、逃亡するのだ。そして自分の都合のいいように正当化して記憶を上書きする。「まあ、仕方なかった」「これはだいたいこういうことだ」「勘違いが起こっただけのこと」深く考えずにそう納得させる。納得させても次第にほころびは見えてくる。そうすると取り繕うしかなくなる。逃げながら自分を守るという手法は、簡単だけれど消耗するし息切れもする。どこにも行きつかないのだから当たり前だ。

 逃げることが悪いと言われるけれど、逃げ続けることだって決してラクではないのだ。


    
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

twitter:@rizuko21


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