星エリナのほろよいハイボール(連載35)

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星エリナのほろよいハイボール(連載34)


素材を撮る

  熱が出た。私の平熱は35度とちょっとしかないので、37度まで上がると結構きつい。38度なんて出ると動けなくなってしまう。38度手前まで上がった。あーつらい。だけどちょっといろいろと用事があって、学校へ行かなきゃいけない。行きました。つらくなりまして、すぐに帰りました。すぐに家で寝て熱は下がってきたけれど、平熱に戻ることはなかった。それから土曜、日曜とアルバイト。本当はお休みをいただきたかったのだけれど、休めなかった。今をときめく便利なアプリ「LINE」を駆使して代わりの人を探したけれど、誰も返事すらしてくれなかった。わー、さみしい。とにかく働いて、終わったら帰って寝て。それでもずっと36度。ちょっと熱くてだるーいかんじ。そして月曜日、喉も痛いし頭も痛いのでお休みしている。
 旅好きの両親がまた旅に出た。今度は中央ヨーロッパだってさ。うらやましい。一週間の長旅へ出かけたのはこの土曜日。私が熱でつらいときに飛行機でびゅーん。兄がいるけど働いているので平日はいない。つまり体調の悪い私だけが家に残った。ごはんもつくらなくちゃいけないし、買い物にでかける。あらちょっと、天気がすごくいい。そうだ、ちょっと写真を撮りに出かけよう。
 私の家のすぐ近くに電源開発がある。そのせいで家のまわりには電線がすごく多い。私にとっては家の周りが一番好きな風景なのだ。買い物から戻った私は急いでカメラとレンズ、それと部屋にある小物たちを持って家を出た。風景を気ままに撮りながら、向かう場所は公園。公園は自然も溢れているし、懐かしい遊具もある。どうしてか切ないベンチもある。ここは子どもたちが遊んだり、喧嘩したり、告白をしたり、悪いことをしたりする場所。いろんな感情が詰まっている場所だ。
 五年くらい前だったと思うが、家の周辺が区画整理された。ちなみになぜか私の家は含まれていない。住所変更などもされたのだが、なぜかその時に公園が増えた。ものすごく増えた。私が小学生のころはここらへんに公園は二つしかなかった。なぜかものすごく近くにあるのだが、「よつや公園」と「すぎなみ公園」。派閥(?)によって使う公園が決まっていた。私は気にせず両方使っていたけれど、どちらかというと「よつや公園」派だった。それが、区画整理後、六つも増えた。六つ。遊具のない「広場」も含め、六つ。あ、嘘だ七つだ。あのスーパーの前にもできたんだった。とにかく増えた。
 私が写真を撮るのは決まって「よつや公園」とすぐ近くの広場だった。「よつや公園」は実際私が遊んだり喧嘩したりしていた場所なので、私の感情が詰まった場所だからだ。懐かしいな、と思いながら撮る。持ってきた小物をたまたまあった切り株の上に置いて撮ってみたり、太陽にガラス玉をかざして撮ってみたり。広場ではベンチを使って、カセットテープを撮ってみたり、置き物を転がしてみたりした。そうして撮った写真はどれもちょっと寂しい。でもどれも全部気に入ってる。
 ちなみに、これらの写真は全部素材である。何の素材かっていうと、ゼミ雑誌をつくるためのね。私はデザインの才能が一切ない。だから写真でごまかすの。さ、体調戻してゼミ雑誌つくらなきゃね。
 


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