小林リズムの紙のむだづかい(連載164)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載164)
小林リズム

【自信、どっかから生えてこないかな】
 
  気付くと周りには自信家な友達が増えていた。
「あたしデキる子だから大丈夫、やれる」「うん、今日もわたしイケてる♡モテモテ♡」と、彼女たちは総じて厚かましくて根拠なき(いや、ある?)自信にあふれているように見えて、キラキラしているのだった100%フレッシュジュースみたいにヘルシーで邪気がなく、スカッとした気持ちになれる。今まで「自分に自信がないんですぅ」アピールをして生き抜いてきた野暮なわたしにとって、彼女たちはとっても眩しいのだった。

 人からの期待という重圧に耐えられなかったので、気付けば自分のハードルを下げまくって生きてきた気がする。何事も自信がないように振る舞って「いや…わたしなんて…」「できるかわかりません…」と自信のなさを売りにして、相手の自分に対するハードルを思い切り落とす。これでもか!というところまで落としたら、あとはもう株があがることしかないからラクなのだった。ふつうのことをしただけでも「全然ダメな子かと思ったけど、やればできるのね」という言葉を獲得できるし、失敗してもそこまで負担にならない。はじめから、期待されていないから相手を裏切ることもない。嗚呼、なんて快適なのだろう。全力を出さなくても頑張らなくても、なんとなく生きていけるなんて。

 そんなふうにスイスイと生活してきたつもりだったのだけど、この間そんな適当に生きているわたしを鋭く見抜いてガツンと言われてしまった。それも、初対面の人に。
「自信がないからって、責任を持たなくていいわけじゃないからね」
というその言葉を聞いたとき自分のなかで何かが弾けたのだった。あの台詞には胸が大きい人が無理やりかけていたワイシャツのボタンがパーンとボタンがはじけ飛んだときみたいな、そんな唐突さと開放感があった。そうか!という驚きと同じくらいの強さで「やっと言ってもらえた」とも思った。わたしは責任を持ちたくないから、自信がないことを前面に押し出していたのだった。もしかしたら自分で気付かなかっただけではたから見ればまるわかりの手法だったのかもしれない。

 スケート選手の浅田真央ちゃんはわたしと同じ年なのだけど、なんてすごい子なのだろうといつも思う。スケートの才能と実力は周知の事実だけれどそこではなくて、メンタルの強靭さに尊敬する。一見おっとりしていそうな顔立ちだけど「金メダルをとりたいです!」と世界に向けて宣言し、日本中の期待を背負った並々ならぬプレッシャーのなかで滑るなんて、わたしだったら怖くて逃亡するはずだ。リタイアとか棄権とか、遠慮なくする。そして田舎で安穏と暮らす。「いやぁ、無理だわぁ。むいてないわぁ」と頭をかきながら干し芋でも食べているだろう。人を裏切りたくないというより、自分が傷つきたくないだけなのかもしれない。人に失望されることも、その事実を受け入れることも恐ろしくって仕方がない。

 だから、それがたとえ自信のあるフリであろうと自分を高く演出するための見栄であろうと、自信満々に振る舞うのはすごくしんどいことだと思うから、堂々としている子には惹かれる。自分で自分の発言にプレッシャーをかけながら生きているなんて、戦っているなんて、とってもカッコイイではないか。そんな子たちを「痛い」と笑っていた自分って何様なんだろう。まったくもって世界が狭かったよ。何も知らないくせに、これこそ痛い。というわけでこれからはわたしも、自信満々に振る舞って自分で自分を追い詰めていこうと思う。自信のあるフリからホントの自信に変わる日まで発破をかけ続けよう。

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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