インドネシア訪問(1)


清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。


清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

九月三日にインドネシアへ。本日八日に帰国した。今回のインドネシア訪問はインターナショナル・シンポジウム「文学とマンガ」に出席するため。第一日目の九月四日はわたしの「世界文学の中のドラえもん」。インドネシア大学の学生たちがどのような反応を見せるのか興味があった。司会進行と通訳はインドネシア大学大学院日本地域研究科事務局長のスーシー・オング博士。独自のゆったりしたインドネシア時間があるようで、シンポジウムは予定時間を一時間も遅れて始まった。冷房ががんがんきいた会場であったが、熱く「ドラえもん」を語った。
会場は南ジャカルタ国際交流基金ジャカルタ日本文化センター

左よりスーシー博士  日野日出志  清水正
 
世界文学の中の『ドラえもん
テキストとして『ドラえもん』の第一話「未来の国からはるばると」の最初の一頁を配布し、それを元にして話を進める。

今まで『ドラえもん』はどのように読まれてきたか。
(1)〈ドラえもん〉だめな子供の救世主。子供の夢や希望をかぎりなくかなえてくれる存在。
(2)のび太は怠け者の劣等生だが、〈ドラえもん〉の助けもあってのびのびと朗らかに生きている。

ドラえもん』の主人公・野比のび太の現実
(1)実存の危機に陥っている
(2)幻聴、幻視(自己像幻視)

ドラえもん』と世界文学の関連
(1)ドストエフスキーの作品『分身』との関連
(2)ポクレスの作品『オイディプス王』との関連

ドラえもん」とは?
(1)神をも超えた神的存在。キリストは全人類を救うために地上の世界に降臨したが、〈ドラえもん〉はのび太ひとりを救うために現れた。〈ドラえもん〉が現れた世界はこの世とあの世の狭間の世界(ユートピア時空)で、この世界にはジャーナリズム(新聞・テレビ)は存在しない。


講演に耳を傾けるインドネシア大学の学生たちとカズコ・ブディマン博士(右)

贈呈した『世界文学の中のドラえもん』と『日本のマンガ家 日野日出志』を手にするインドネシア大学大学院日本地域研究科の学生たち