小林リズムの紙のむだづかい(連載241)

小林リズムの紙のむだづかい(連載241)
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載241)
小林リズム
 【まだ不十分になれません】



   恋したい恋したい恋したい恋したい…
何かの病気のように繰り返しつぶやいたら、「そんなに彼氏ほしいの?」と弟に呆れられた。
「なんかさ、生活していくなかのあらゆるものを自分だけのためにやってるなぁって思って。今だってそれなりに幸せなんだよ。だけどそのうち虚しくなりそう」
そう話したら、同じく長く恋人のいない弟が
「別に僕は今の環境で十分だけどね」
と言うので反射的に言葉が出た。
「あたしもそうだよ。だから焦ってるんじゃん。恋愛って自分が不十分だと知るためにするんじゃないの?」
しゃべりながら自分に言い聞かせたみたいだった。わたしは口で言うほど今の生活が寂しいと思っていないし、不自由も面倒事もなく好きなように生活しているので、それなりに楽しい。不足していることも不満なこともそんなにない。おかげで今、自分に足りないものをひしひしと実感しなくても済む。けれど、新しい環境に足を踏み入れたり、働いてみたりすると、自分がいかに未熟で不十分な人間であるか思い知らされるのだ。今まで「ま、これでいいんじゃない?」などと思ってやり過ごしてきたことが「いやいや、これじゃダメだろ〜!」という扱いになって驚く。「こんなもんでいっか」と自分で割り切っていた部分も、誰かのために何かをするとなるとスムーズにはいかなくなるのだ。それはとても面倒なことだし、疲弊するし、自信もなくなる。使い物にならないプライドを持っていたらなおさら、疲労も劣等感も倍以上にのしかかる。
 これまで積み重ねてきたわたしの世界ってなんだったんだろうと思うくらいあっけなく崩れ去ったりする。きっとこういうものの連続を、大人は「これが仕事だから」とか「社会人ってそういうものだから」などと言って表しているのだと思うと、自分の至らなさにますます汗をかくのだった。安いプライドと、できそこないの世界を守るために逃げてきたことって、これまで何度あったんだろう。

 恋愛も仕事も同じで、少々乱暴にくくると、自分の不十分さを身に染みて感じるためにするものなのかもしれない。そう考えたら、今の十分な居場所に浸りきって、一生自分の世界(笑)を壊さずに終わるのは嫌だと思った。自由なようでいて、本当は誰よりも不自由だったなんて。マイワールドから片時もはみだすことなく、人の世界に踏み込んだり突撃したりしないのは、閉じ込められていることと同じだ。もっとぐちゃぐちゃにぶつかりあって傷をつけて傷をつくって、世界なんてなくしてしまいたい。
   

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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