小林リズムの紙のむだづかい(連載102)
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紙のむだづかい(連載102)
小林リズム
【素直になりたい】
「この間▲▲企業主催のパーティーがあったから行ったんだけどさ、こんな恰好(金髪ちゃらちゃら)しているやつ、オレ以外にいないわけ。やばくね?」
この手のたぐいの話のリアクションに、ものすごく困る。本人は「こんなでけぇ場所でも堂々と自分らしく突っ張っちゃうオレすげぇ」みたいに思っているのだろうから、単純に「やばいよそれ〜(笑)」「ホント、ほかにいないよね」と言えばいいのだけど、なんだか納得できない。
「したらさ、▲▲企業の偉い人っつーの?が、オレに話しかけてきて名刺とか渡してくるわけ。まじ、やべー(笑)」
うわぁ、すごいねー!さすがだねー!と答えればいいのだ。なのに、なんなんだろう、それを猛烈に拒絶したくなるこの心境は。
端的に言えば、私はただ相手が欲しているリアクションをあげたくない、意地悪なのだ。なになに?なにがそんなに「やべー」の?「すげー」人たちが集まっている場所に参加して目立っっちゃってるオレが「やべー」のね?それが「すげー」自慢したいほど嬉しかったのね?だったら素直にそう言えばいいじゃない。
…というようなことを話したら「そんなのどうでもいいから簡単にリアクションできるよ」と友達に言われた。そうか…、それなら私にとってはどうでもいいことではないのだ。この遠回しの自慢である客観的にみて痛々しい発言は、どうでもよくない。だって、ものすごく自分にリンクするんだもの。
嬉しい、楽しい、大好き!(ドリカムか)を素直に表現できない私は、遠回しの自慢に徹する。「この間こういうことがあってさ〜、え?別にすごくないよぉ。ホント、面倒くさくて」みたいに自慢したい気満々なのに、否定系を装う。なんて嫌味な自慢の仕方だろうと思う。自分の感情をストレートに出すのが負けだと思っているのか、恥ずかしいと思っているのか、こんなこと自分にとってはどうってことないんだっていう体を装いたい歪んだプライド?嗚呼…自分がものすごく扱いにくい。懊悩の日々。
「こういうことがあってね、嬉しかったの!」「だからこういうの、大好き!」と言える人ってかわいい。人から好かれている人ってみんなこういう素直さを持っているよなぁと思う。こういう子がちょっとばかし失礼なことを言っても周りからあまり嫌な顔をされない(発言内容にもよるけど)。そこには悪意がないからだと思う。人を蹴落とそうとしたり自分だけいい思いをしようという邪気がないぶん、信用できる。愛される。
…なんだか素直だといいこと尽くしですね。自分の感情にも欲望にも素直になりたいと思います…。
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