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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載168)兵役拒否を巡って
注目したのは「汎神論の上に宗教を建てることはできない」である。ニコライ主教が〈汎神論〉を〈キリスト教〉とはまったく別のものであると見なしていることが分かる。汎神論はすべての事象に神が宿っていると考えるから、唯一絶対の神しか認めないキリスト教の教義とは根本的に相容れない。神道、仏教、儒教の伝統のもとに生育してきた日本人にとって汎神論は受け入れやすいし、そこに抵抗を感じることはない。しかしニコライ主教にとって汎神論を受け入れることはできない。彼にとって汎神論は不確定な〈波〉であり、〈無〉でしかない。波や無の上に確固たる宗教の館を建設することはできないというのがニコライ主教の主張である。もしニコライ主教が汎神論を認めてしまったら当然のこととしてハリストス教会から離脱しなければならず、布教などもってのほかということになる。
ところでキリスト教と汎神論の問題をドストエフスキーは『悪霊』において彼なりに徹底して追及している。『悪霊』にはニコライ・スタヴローギン(なにものも信じない、信じないということすら信じない虚無の権化のような存在である)、キリーロフ(建築技師。ニコライの弟子格で独自の人神思想、つまり神が存在するならすべては神の意志によって支配されているが、もし神が存在しないのであれば自らが神とならなければならない。この人神は人間が最も恐れている死を克服する必要があるとして自殺を必須とする。彼はピョートルに唆されてピストル自殺して果てる)、シャートフ(ニコライの弟子格。神そのものを信じることはできない段階にとどまっているが、ロシアの神は信じている。ピョートルの主宰する秘密革命結社から離脱したことでピョートルによって殺される)ピョートル・ヴェルホヴェーンスキー(テキスト表層において秘密革命結社の首魁を演じる虚無主義者。ニコライ・スタヴローギンの猿を演じているが、その内面世界はニコライの虚無をはるかに上回った虚無的道化である)、ステパン・ヴェルホヴェーンスキー(ニコライ・スタヴローギンの家庭教師。ニコライの母ワルワーラに招聘された知識人で、ワルワーラの広大な領地スクヴァレーシニキの別荘で当地の若者たちを集めソクテス気取りで自説を展開し、強大な影響力を発揮する。ニコライ、キリーロフ、シャートフ、ピョートルなどは彼の直弟子と言ってもいい)、アントン・Г(『悪霊』の作中作者。危険な自由主義者ステパンを監視する国家から秘密裡に派遣されたスパイ。彼はバイセクシャルのステパンと肉体関係を結ぶことで絶大なる信頼を得て、思う存分スパイ活動に専念する。彼の秘密は『悪霊』の読者、評論家に百年以上にわたって看破されることはなかった。ドストエフスキーは作中人物の一人リーザにアントンをステパンの〈個人秘書〉(конфидент)と言わせている。この言葉にはステパンとアントンの同性愛的関係が暗示されている。また市井のスパイと言われていたリプーチンは直感的にアントンに同質のものを感じていた)。
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