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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載161)兵役拒否を巡って
「教育と宗教の衝突」は〈冷淡なる知識的探求の精神〉をもって書かれている。その精神は公平であり、鑑三の〈不敬事件〉に関してもキリスト教の教義の根本を見据えて検証している。キリスト教は偶像崇拝を禁じており、従ってこの教義に忠実たらんとすれば、宸署礼拝に躊躇するは当然のこととして認めるのである。これは鑑三に対して厳しく断罪する態度というよりは、むしろ寛容な態度と言っていいだろう。鑑三はじめ多くのキリスト教徒たちが「教育と宗教の衝突」に批判的であったことの方が不思議である。しかしよくよく考えてみれば、哲次郎の論はキリスト教を原理的な次元で批判しており、これを受け入れることはキリスト教自体の壊滅を招くことにもなりかねず、キリスト教徒が必死の反論を試みざるを得なかったことも納得がいく。キリスト教徒たちにしてみれば、「教育と宗教の衝突」が多くの読者を獲得することは脅威であったろう。幸か不幸か「教育と宗教の衝突」は、現代では忘れられた論文の一つになっている。日本人なら熟読に値する真っ当な論文であり、若い人たちには是非とも読んでもらいたい論文である。日本人にとって本当に信じるに値する宗教とはなんなのか。キリスト教を絶対視する観点からではなく、神道、仏教、儒教、ユダヤ教、イスラム教をも視野に入れた上での信仰問題を考える必要があろう。
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人間のあるべき姿を検証する。人道主義(ヒューマニズム)と宗教の問題。対話によって世界平和の実現とその維持は可能なのか。人道主義と一神教的絶対主義は握手することが可能なのか。三回に分けて発信していますがぜひ最後までご覧ください。
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