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清水正・画
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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載150)兵役拒否を巡って
不可能な事がなぜ可能なのか。鑑三は「基督教は高潔なる道徳を命ずると同時に亦、之を行ふための超自然的の能力と動機とを供給する、之を難事と見做すのは人間普通の能力より計算しての事である、然かし神の力を加へられて、是れ決して為し難い事ではない」と書いている。〈超自然的な能力〉〈神の力〉を加えられず、〈普通の能力〉しか賦与されていない者にとっては何の意味も持たない言葉である。もし鑑三が超自然的な能力と神の力を与えられているのなら、その事を語ればいいだろう。しかしそんな事はいっさい語られていない。普通の人間の能力しか与えられていない者が、あたかも神の力を与えられているかのような物言いをすること自体がおかしい。考えるのは人間的理性によってであって、神力や超自然的な能力によってではない。
人間の能力を超えた問題に関して憑依的言説を唱える者に対しては意識的に拱手傍観者の立場に立つほかはない。唯一神に対して絶対帰依する事が信仰だとしても、今、問題にしている事は神の発する言葉の矛盾に関してである。人間は神の矛盾を指摘することはできても、神の矛盾を生きることはできない。理性と分別を備えた普通の人間は、その〈普通の能力〉を駆使するほかはないだろう。それとも狂信者のように、どんな場合においても神の命令に服従せよというのか。矛盾を見いだした時には、その矛盾を解消すべく努力するのが人間の務めであって、矛盾に身投げすることではない。鑑三の言葉で言えば、普通の人間、即ち〈超自然的な力〉と〈神の力〉を加えられていない者はそうするしかないという事である。
さらに言えば、鑑三が超自然的な能力と神の力を信じているのであれば、国家や世間の非難弾劾などに微塵の恐れも抱かずに、弟子の宗次郎と共に声高らかに兵役拒否を叫んだらよかっただろう。そうすれば、鑑三は神の矛盾にも拘わらず、自分自身の信仰を全うしたということになる。鑑三の兵役拒否に対する教訓は、神の矛盾を持ち出すまでもない問題であり、彼における矛盾であり欺瞞である。
この問題は、第二次世界大戦(大東亜戦争)時に、国家の方針に迎合して戦争肯定になだれ込んだ日本のキリスト教徒全員にも適用されるだろう。彼らに共通しているのはキリスト教が抱える根源的な問題に関して徹底的な考察を怠っている事である。
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