随想 空即空(連載149)兵役拒否を巡って

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随想 空即空(連載149)兵役拒否を巡って

清水正  

 

 鑑三は「総て道徳的の事は吾人の意志の支配の下にあるものであるから、若し之を行ふの意志と勇気さへあれば、吾人は之を断じて行ふことができる、若し難事と不可能事とを混同して基督の此言葉を軟弱的に解釈せんとすれば、その結果たるや、基督教全躰の教義を人間の便宜に応じて解釈するに至るの虞れがある」と書いている。この鑑三の言によれば、イエスの言葉に従うことを不可能とみなすことは〈人間の便宜に応じての解釈〉ということになる。わたしに言わせれば、非戦論を唱えながら宗次郎の兵役拒否を聖書の曲解とみなす鑑三の教訓こそが〈人間の便宜に応じての解釈〉であると思う。

    日露戦争時、兵役拒否を公言ないし実行すれば、〈不敬事件〉の時以上に世間からの非難攻撃を受けることは目に見えていた。兵役拒否などすれば当人はもとより、家族親戚一同はもとよりキリスト教関係者、そして宗次郎の先生である鑑三にも多大な迷惑がかかるのは必至である。〈不敬事件〉で国賊とまで弾劾され、教職の場から体よく追放され、若い妻をも失った悲劇の体験をもつ鑑三が、弟子の兵役拒否に翻意を促すにあたって、〈人間の便宜〉にまったく応じなかったと言えるのだろうか。わたしの目には、この時の鑑三ほど宗次郎と自分自身の便宜をはかった時はなかったのではないかとさえ思う。現実的に見れば、宗次郎は鑑三の説得に応じて兵役拒否を取り下げたことによって、世間からの非難弾劾を回避し、家族を悲劇の渦中に追い込まずにすんでいる。何度でも言うが、もし鑑三がイエスの言葉に忠実であれば宗次郎の兵役拒否に関して翻意を促すようなことはしなかったであろう。むしろ宗次郎の兵役拒否を全肯定して初めて鑑三の唱える非戦論が現実的次元での説得力を獲得することになったであろう。聖書の矛盾を生きるとは、非戦論を唱えながら兵役拒否を回避することではない。これは単なる自己矛盾であり、欺瞞に過ぎない。

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