随想 空即空(連載138)兵役拒否を巡って

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随想 空即空(連載138)兵役拒否を巡って

清水正  

 鑑三に限らず、キリスト教徒たちの書物を読んで思うことの一つに、彼等はいったいイエスをどのような存在として把握していたのかということがある。イエスは人間なのか、人間として生まれた神の子なのか、神の子なのだとすれば父なる神とはなんなのか。福音書を読んでもこういった疑問にきちんとした解答が与えられるわけではない。キリスト教を信じない者にとって、イエスはあくまでも人間である。その意味ではユダヤ教徒イスラム教徒の見解と同じである。ユダヤ教徒にとってイエスユダヤの王を僭称する死罪に値する反逆者であり、イスラム教徒にとっては一人の預言者であって決して神ではなかった。イスラム教徒はイエスを三位一体の神としても認めない。ユダヤ教イスラム教も唯一絶対の神を信じている。前者はそれをエホバとかヤハウェと称し、後者はアッラーと称している。両者は異教徒の殲滅を命じる妬みと復讐の唯一神であり、お互いに戦いを繰り返している。ユダヤ教から愛と赦しを全面に押し出すキリスト教徒が誕生するが、イエスは妬みと復讐の神を否定していない。異教徒の殲滅を神の名において命令するユダヤ教の神を否定することなく、「汝の敵を愛せ」というイエスの言葉はまったく意味をもたない。父なる旧約の神(試み、裁き、罰する妬みと復讐の神)をイエスは自らの内でどのように決着をつけていたのか。このことが曖昧なままなので、この点についてまったく言及することのないキリスト教徒の言説や説教は説得力を持たない。

    強制と良心に反して「イエスを信ずる者たちの契約」に署名した鑑三もまた、なんらこういったイエスの依って立つ根源的な問題に目を向けることがなかった。鑑三の書物を読んでいていつも白けた気分になるのは、鑑三がイエスと神の問題に関して、自らの信仰に根源的な揺さぶりかけていないからである。結果として曖昧な態度を取っているのに、鑑三はその時々において一義的な激情に身をまかせている。日清戦争の時には〈戦争肯定〉、日露戦争の時には〈戦争否定〉を声高に叫ぶが、その矛盾が生じきたる根源的な問題に関しては沈黙を守っている。宗次郎の兵役拒否は鑑三の欺瞞と矛盾をさらけ出す格好の機会であったが、見ての通り、鑑三は巧妙な詭弁をもってすり抜けている。この〈すり抜け〉を看過している限り、キリスト教徒の欺瞞を撃つことはできないだろう。戦争が終わってから、戦争に協力したことを懺悔して罪滅ぼしになると思っているようなキリスト教徒は、何度でも戦争協力者へと変身するだろう。

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