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有即無 無即有 有無即空 空即空 空空空 正空 (清水空雲)
随想 空即空(連載68)内村鑑三の再臨説を巡って#ドストエフスキー&清水正ブログ#
正宗白鳥は結婚と再婚に関して次のように書いている。
内村鑑三先生の晩年の門弟であった某氏は、その夫人に死なれるとその遺骨を机上に安置して、生けるが如き思いを寄せて、日常彼女に親しんでいたそうである。傍観者には気味の悪い思いがされるかも知れないが、永遠の生命を信じ死後の復活を予想している人間には、さもあるべき事と思われないでもない。来世に於ける肉体の復活を確信している者が、愛妻に死別した後、再婚を実行することは、不純の行為であるように、私などには想像される。神の国に先着して、夫の来るのを待ち焦れている愛妻を無視して、二度目の妻を娶るのは背信行為ではあるまいか。一旦夫婦となった上は、仏教に謂うところの夫婦は二世どころでなく、永遠生に渡り、幾千億年も契りを結ぶことになるのだから、どちらが一足さきに死んで行っても、残された者は節を守って、他日の再会の期を待つべきであろう。(376~377)
内村鑑三の結婚、離婚、愛妻の死、娘の誕生と死に関して「日本の名著38」所収の年譜で確認しておこう。
一八八四年(24歳)三月、浅田タケと結婚。十月、事実上の離婚。一八八九年(29歳)七月、横浜加寿子と結婚。一八九一年(31歳)一月九日、第一高等中学校不敬事件。四月、加寿子死す。一八九二年(32歳)十二月、岡田静子と結婚。一八九三年二月、『キリスト信徒のなぐさめ』出版。一八九四年三月、長女ルツ子誕生。一八九七年十一月、長男祐之誕生。一九一二年(52歳)一月十二日ルツ子病死。
白鳥は「来世に於ける肉体の復活を確信している者が、愛妻に死別した後、再婚を実行することは、不純の行為であるように、私などには想像される」と書いている。わたしも初めて鑑三の年譜を読んだとき、鑑三の三回目の静子との結婚(実は第四回目との説もある。鑑三は一八九一年に築山もと子と三回目の結婚をしていたという説であるが、未だに詳細は明らかにされていない。政池仁『内村鑑三伝 再増補改訂新版』543~544頁参照)には納得のいかないものを感じた。男と女の関係などは私小説風に描かれてさえその実態は容易に分からないのであるから、簡潔に記述された年譜をいくら眺めても具体的な夫婦関係の微妙な綾など浮かびあがってくるものではない。
それにしても、二番目の妻加寿子を結婚して二年も経たぬうちに亡くし、深い悲しみにあって「愛する者の失せし時」を執筆した鑑三が、翌年には静子と三度目の結婚をしているのはどういうことだろう。静子は『キリスト信徒のなぐさめ』を読んでどんな気持であったろう。静子は愛する妻加寿子を亡くした鑑三の悲しみをよく理解した上で結婚に同意したとしても、亡き妻に対する愛を表明した文章を読む静子の心は決して穏やかではなかったろう。亡き妻の来世での肉体を伴った復活などを信じている鑑三は、加寿子に対してどのような説明をしていたのだろうか。人間の悲しみ、苦しみに敏感なはずの鑑三の、この無神経、無頓着をどのように理解すればいいのだろうか。わたしは率直に言って、加寿子が死んで二年も経たない内に再婚した鑑三を受け入れがたいが、それ以上に静子との結婚二ヶ月後に『キリスト信徒のなぐさめ』を出版しているその無神経が許せない。これはキリスト教信徒とかそうでないとかの問題ではなかろう。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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