プーチンと『罪と罰』(連載39)
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清水正・画
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『作家の日記』には「ただ迫害者が父母の眼前で子供らを捕え、苦痛を長びかせるために、五分間に一本ずつ指を斬り落としてゆくのを見ながら、ブルガリヤ人はそれを防ごうとさえせず、ただ狂気のごとく泣き叫び、身をもがきながら、哀れな子供たちを苦しめるのをやめて、自分たちの手に返してもらいたいばかりに、拷問者の足に接吻するくらいが席の山であった」(『作家の日記』上巻460)という記述もある。
戦争における残虐な場面の一つである。迫害者はトルコ人であり被害者はブルガリヤ人である。前者は回教徒であり、後者は正教徒である――と見れば、そこからトルコ対スラブ、回教対正教といった民族・宗教問題が先鋭化されるだろう。が、イヴァン・カラマーゾフが第一に問題にしているのは、子供への虐待・虐殺を通して浮上する人間の根源的な問題、人間と悪(あるいは自由)の問題である。
殺された子供をだれがどのようにあがなうのか。赤ん坊を殺したトルコの兵士と、赤ん坊を殺された母親が、あの世で心から和解し、お互いに涙を流して抱擁したとしても、しかし殺された子供はついにあがなわれることはないではないか。イヴァン・カラマーゾフはこのように子供の虐殺に関して徹底的に問いつめていく。
だれか、このイヴァンの問いつめに確固たる答えを出すことのできる者がいるのだろうか。宗教上の理由で戦争を肯定するなら、双方に言い分があることになる。イスラム教もキリスト教も自らの絶対性を譲らないのであるなら、戦争を回避することはできないだろう。そして一旦戦いが始まれば、聖戦の名目によってあらゆる残虐な行為が許されてしまうことになる。
『作家の日記』の〈筆者〉はロシア正教の聖地イスタンブールを奪回するために全スラヴの民族が大同団結してトルコ軍と戦うことを肯定している。バルカン半島の正教徒たちが回教徒たちによってどんなにひどい迫害を受けているかをこの〈筆者〉は強調するが、しかし回教徒側の〈正義〉や〈聖戦〉に照明を与えることはない。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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