プーチンと『罪と罰』(連載38)
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清水正・画
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初めて『カラマーゾフの兄弟』を読んで衝撃を受けたのは、イヴァン・カラマーゾフが弟のアリョーシャに向かって語る人間の人間に対する残虐な行為の数々であった。特に印象に残っているのはトルコの兵士が母親の胸に抱かれていた赤ん坊を空中に放り投げ、それを剣で下から刺し貫くという行為であった。しかもこの兵士は赤ん坊を空中に放り投げる前に、赤ん坊をあやしていたというのである。
この場面を読んで、わたしは特別、トルコ人が残酷とは思わなかった。それより、人間というものは戦争という極限状況に置かれると、平和な日常の世界では思いもつかないようなきわめて残酷な行為も平然と行う存在なのだと思って、その事実に衝撃を受けたのである。
自分の可愛い乳飲み児を眼前で殺された母親の身になれば、その悲しみ、苦しみ、絶望をどのように表現したらいいのか誰も分からないだろう。いったい赤ん坊を芸術的な手法で殺したこのトルコの兵士は、正常な神経を破壊された狂人であったのだろうか。否、彼は勇敢な、優秀な兵士であって、この時も冷静な意識をもって事を成し遂げただけであり、他の場面ではこれ以上の残虐な行為をし続けていたのかも知れない。
つまり問題は、この目に余る残虐な赤ん坊殺しを、このトルコの一兵士の特別な行為と見なすことはできないということ、この行為を残虐きわまりない非人道的な行為と見なす人間もまた、戦争という殺すか殺されるかという極限状況にあっては、自らもまたこの〈兵士〉になり得る可能性を持っているということである。
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「清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。
令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ
発行日 2021年12月3日
発行人 坂下将人 編集人 田嶋俊慶
発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
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