遠藤周作の『私にとって神とは』

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清水正ドストエフスキー論全集

近況報告

先日まで連載した「帯状疱疹後神経痛と共に読むドストエフスキー」は連載36でとりあえず中断する。連載した原稿は2016年に日大病院退院後書き続けていたものだが、この続きは『ドストエフスキー曼陀羅──松原寛&ドストエフスキー──』や『清水正ドストエフスキー論全集』第11巻に収録したり、すでに「Д文学通信」に発表してある。退院後から今日まで、ずっと原稿を書き続けているので、ブログにでも発表しないと何を書いたのかも忘れている。

ここ二週間ほど校正に追われて原稿を書く暇がなかった。相も変わらず『罪と罰』に執拗にこだわっているのだが、少し時間を空けるのもいいかもしれない。

先日、図書館から借りている本の返却要請が大学からあったので、マンションから歩いて三十秒ほどの自宅の書斎にしばしこもって本を探すことにした。倉庫状態の書斎から借りている本を発見するのも一仕事。帰り際、本の山の上に遠藤周作の『私にとって神とは』が目についたので持ち帰って読み始めた。キリスト教のことや、なぜ信者になったのかなどやさしく書いてある。まあ、一言でいえば遠藤周作の宗教観は母親教のようなもので、ユダヤキリスト教の厳しい父性的な側面は真正面から取り上げられていない。親鸞悪人正機説マルメラードフの愛と赦しの神学に似ている。離婚した母親がカソリックに入信、遠藤少年はその母親の悲しみに限りなく寄り添うようなかたちでキリスト者であり続けたと言えようか。母親から一方的に与えられた、からだにぴったりしない洋服を、精一杯自分のからだに合わせるように和服化していった遠藤周作の姿に、悲しみの母親に対する限りのない慈愛を感じる。遠藤における宗教は母性的な愛と赦しであるから、別にキリスト教でも仏教でもよかったということだろう。

この際、もう一度遠藤の『イエスの生涯』『キリストの誕生』『死海のほとり』を読み直そうと思い、記憶にある書斎の棚を妻に探してもらったが、三冊とも箱しかなかったということである。いったい中身の本はどこへ行ったのやら。そのうちひょっこり顔を出すかもしれない。

ということで、『罪と罰』を通して執拗に信仰の問題を考えることにしたい。

    ドストエフスキー文学に関心のあるひとはぜひご覧ください。

清水正先生大勤労感謝祭」の記念講演会の録画です。

https://www.youtube.com/watch?v=_a6TPEBWvmw&t=1s

 

www.youtube.com

 

 「池田大作の『人間革命』を語る──ドストエフスキー文学との関連において──」

動画「清水正チャンネル」で観ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=bKlpsJTBPhc

 

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これを観ると清水正ドストエフスキー論の神髄の一端がうかがえます。日芸文芸学科の専門科目「文芸批評論」の平成二十七年度の授業より録画したものです。是非ごらんください。

ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ(2015/11/17)【清水正チャンネル】 - YouTube

 

 https://www.youtube.com/watch?v=KuHtXhOqA5g&t=901s

https://www.youtube.com/watch?v=b7TWOEW1yV4