星エリナのほろよいハイボール(連載127)

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星エリナのほろよいハイボール(連載127)


ちょうちょ結び
星エリナ


  明日から
星エリナ
冬は好きだ。だけど、卒業の季節だから嫌いだ。
卒制のなかで書いたこの矛盾はいつもわたしの中にあった。なんで卒業するんだろう。わたしはなにか卒業できるくらいのことをしたんだろうか。自分のなかでは何にも満足したことなんてないのに。みんな泣いたり笑ったりしながら、はやく出ていけと背中を押してくる。例えば中学教師なんかは、生徒を崖から突き落とすのだって簡単にできるんだ。
だけど、いまは違う。心のモヤモヤは常に消えないんだけど、ストンと気持ちが落ちついたような、静かな気持ち。それは卒制の評価のおかげだと思う。
大学一年の春、学籍番号で振り分けられた夫馬ゼミ。ここでわたしは砕け散る。連載36の「トラウマを思い出す」にて詳しく書いているが、簡潔に言うと、わたしの小説を夫馬先生が「バカバカしい」と笑ったのだ。
あの日から、小説を書いても納得しない日々が続いた。それでも自己満足を求めて書き続けた。悔しくて、書いても書いても評価されない日々。それでも書き続けたのは、やっぱり小説を書くことが好きだから。変なの。
論文なんて、書いたことないから、卒業論文ではなく制作を希望した。春からぼんやり考えはじめて、少しずつ書いて、夏の一人旅のときにちゃんと構想を練って、秋には慌て始めた。冬にはなんとか書き上げて誤字脱字を何度も確認した。(そのくせに、一ヶ所誤字がありました)
なんとか書き上げた「ちょうちょ結び」。うまく書けたような、書けなかったような、変な感じ。でも、何度も読み返す度、登場人物を愛しく思って、わたしに似ているところを見つけては苦笑した。
卒制の面接日。面接時間が迫ってきて、怖くなっていた。
面接。いろいろな話をしたけれど、わたしがいま、卒業に対して気持ちが静かになっているのは、副査の福島先生の言葉が影響している。
「言い過ぎかもしれないけど……100点」
そう言って笑ってくださった。
思えば四年前、「バカバカしい」と言われたわたしの小説が、こうして「100点」と言われるまでになれたこと、本当に嬉しく思います。指導してくださったすべての先生や先輩方に感謝します。
そして、3月25日に日本大学芸術学部文芸学科を卒業しました。文芸学科を卒業できたこと、本当に嬉しかったです。
最後まで甘ったれだったわたしをかわいがってくださった先生、先輩方本当にありがとうございました。入学してから先輩に甘えて、先輩方が卒業するときは大泣きして、それから一年は院生や助手さんにべったり。こんな甘ったれを同級生は格好良いとか頼れるとか言ってくれて、それも嬉しかったです。卒業パーティーの後は、助手さんに抱きついてわーわー泣きました。うるさかったですね……。でもそれくらい、離れたくないって、もっともっと甘えたいって(笑)思ったんです。
今一度、星エリナに関わってくれたすべての方に感謝します。明日から、また新しい世界で自分らしく頑張ります。きっといっぱいいっぱいになると思いますので、休憩させてください。
でもやっぱりわたしは書いていかないと気持ちを落ち着かせることができないので、また必ず書きます。それまで。第一幕、閉幕。
星エリナ(@er1naSTAR)




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