小林リズムの紙のむだづかい(連載436)

清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演を引き受けます。

清水正『世界文学の中のドラえもん』『日野日出志を読む』は電子書籍イーブックジャパンで読むことができます。ここをクリックしてください。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/190266.html


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

小林リズムの紙のむだづかい(連載436)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

http://d.hatena.ne.jp/shimizumasashi/searchdiary?word=%2A%5B%C0%B6%BF%E5%C0%B5%A4%CE%C3%F8%BA%EE%CC%DC%CF%BF%5D


ここをクリックしてください。清水正研究室http://shimi-masa.com/

四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。
小林リズムさんがエッセイ本をリンダパブリッシャーズ(http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru)から刊行することになりました。本のタイトルは『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった八日で辞めた話』発売日四月五日。
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
http://lindapublishers.com/archives/publications/dokonidemoiru
小林リズムの紙のむだづかい(連載436)




【伝えるのは言葉じゃないかもしれない】


 この間、久しぶりに読書会に行った。参加したのは土曜日の夜に吉祥寺で行われた読書会で、参加者は二十名前後。参加者は大学2年生という男の子をのぞいて、全員が年上だった。平均年齢は30代くらいだろうか。IT系の会社に勤めている人が多くて、ギラギラと野心を燃やしながら仕事をしているタイプの人がやや多めだった。

 読書会はひとりひとりが気に入った本を持ちあって2〜3分紹介し、それに対して参加者が感想や意見を伝えるという形式のものだった。とはいっても、飲んだり食べたりしながらおしゃべりできるという、フランクなスタイル。私はバニラアイスの乗った豆乳ワッフルにナイフで切れ込みをいれながら参加者の本の紹介を聞いていた。

 選ぶ本にも個性が出るけれど、紹介の仕方にも個性がある。たとえば、キャリアウーマンタイプの女性は、企画のプレゼンをするようにはきはきとした声で神田昌典の『成功のための未来予報』の紹介をしていたし、東京に越してきたばかりだという男性は自分の世界に入り込むようにしてアンダソンの小説『ワインズバーグ・オハイオ』を紹介していた。全然別のジャンルなのに、同じくらいの強い気持ちで「読んでみたい!」と思った。

 説明や発表が超のつくほど苦手な私は、エピソードを抜粋して紹介しやすい宇野千代さんの自叙伝と、宣伝になりそうな自分の本を持ってきた。自分の本を紹介しながら、自分がいかに「社会人慣れ」していないのかを思い知る。携帯ショップに行ったり、会社の受付のお姉さんの説明を聞いていても感じるけれど、こういうシーンになると、世間から弾き飛ばされてしまった自分にしゅんとするのだ。社会人らしからぬたどたどしいしゃべり方とか、視線が泳いでしまうところとか、焦って話が飛んでしまうところとか、私はぜんぜんこういう場に慣れていない。どっしりとした落ち着きや、丁寧で常識的な話し方、指先まで気を抜かない振る舞い。そんなものを前にすると怖気づきそうになる。私は十年後もこんなふうに物事を順序立てて説明することができないのだろうか……、とか思ったら、さすがに怖くなった。幸い、読書会では自分の本を持ってきたおかげか勢いだけで紹介は乗り切れたのだけれど。

 そんななかで途中参加してきた男性がいた。彼は吃音だった。私は吃音の人とはじめて出会ったから「これが吃音というものなのか!」と感心を持った。彼は自分の吃音なんてみじんも気にしていないようで、つっかえつっかえ、一生懸命に伝えていた。本のこと、そして趣味である電車のことを。言葉がつっかえるせいか、私も含めてみんな彼の話をよく聞きとろうと耳を傾ける。ときどき何を言っているのかわからない部分もあって、でもなんか、言いたいことは伝わってきたんだよね。

  

 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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