小林リズムの紙のむだづかい(連載322)

小林リズムの紙のむだづかい(連載322)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。


清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=1GaA-9vEkPg&feature=plcp

清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載322)
【運命の王子サマなんていないんで】
 


「だから俺は言ってるだろう?リズムはエッセイを書けって。一時は不動産に就職するなんて言ってたし、なんだそれはって…etc」
清水先生にそう言われたのは、会社を辞めたすぐあと。飲み会の帰りの電車だった。アハハ、そうですかー?ありがとうございますー。なんて笑って返していたのは、自信のなさと不安とでいっぱいいっぱいだったからだと思う。職を失った今、呑気にエッセイなんて書いている場合じゃない。そんな未来がないようなことを、定職もお金もないなかにやれるワケがない。夢なんてみているより現実をみるほうがはるかに大事なのだ。けれど去り際にこう言われたことで、私の心境は大きく変化した。

「…まあ、俺はこういうふうに言うけど、書くか書かないかはリズムが決めることだからな」
その言葉で、それまで心の奥で持っていた「誰かに世話してもらいたい」という他力本願にくすぶっていた欲求が、霧散していった。私はあのとき初めて視界が開けたのだと思う。私が書こうが書くまいが、誰かの知ったこっちゃない。書かなくたっていいし、当たり前だけれど誰にも迷惑かけない。だからこそ、書くのであれば自分の意思が必要なのだと。それくらいの覚悟や気持ちがない限り、欲しいものは手に入らない。何か幸運が降ってくるのを待ち続けるだけで人生が終わってしまう。そういうふうに聞こえた。それまで私が求めていたものは「夢」でしかなかったのだ。それをひたすらに「現実」としてわからせてくれたのが、先生のその言葉だったのだと思う。

 いつか運命的な出会いがあるカモシレナイ、とか、いつか私の才能を誰かが掘り起こしてくれるカモシレナイ、とか、そういうスタンスで生き続けていた私にとって、それは重すぎる言葉だった。「何をすればいいのかワカラナイし…」と考えることや自分のなかの欲望に目を向けることを怠って、いつかハッピーになれると思っていた。何もしなければ、何もしないまま終わる。なんだかスゴイと思える他人の人生を面白がって終わる。…なにそれ、ものすごく不本意なんだけど。猛烈に湧き上がってきた感情に戸惑い、私は自分が今やりたいことが「正社員としての職を見つける」ことではないのだと知った。本当は自分の気持ちを知っていたのかもしれない。


 
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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