小林リズムの紙のむだづかい(連載280)

小林リズムの紙のむだづかい(連載280)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載280)
小林リズム
    【変わろうとしなかった】

  

 

 階段を下りていたら転んで膝をついた。でこぼこしたアスファルトが冷たくてかたい。そして痛い。でも、もう22歳だし大人なんだから…と、何事もなかったようにして立ち上がってその場を去った。膝小僧からは血が出て、黒いタイツにべったりとはりついて歩くたびにひりひりとした。

 小さい頃は、転んだら痛くて悲しくなった。顔をゆがめて泣くこともできた。けれどもう22歳の私は、悲しみよりも恥かしさのほうが増し「え?転んでないし?」と躓いたことそのものをなかったかのようにして振る舞うことが普通になった。大人になるというのは、悲しみが恥かしさへと変化すること。悲しんでいる姿や、躓いて失敗することは、恥なのだと知ること。いつからかそう思い込んでしまったのかもしれない。私は自分勝手につくりあげたマイルールのなかで「要領よく生きたほうが勝ち」だと思っていた。「努力なんてなんもしてませーん」という顔をして、誰かの恩恵を受け、とんとん拍子に事が運ぶほうが、ガリガリ努力を重ねて失敗するかもしれない状況になるより、ずっとクールだと思っていたのだ。
 そんなふうだったから、簡単に手に入りそうな成功や輝きに惹かれて安易に手を伸ばした。もちろん、そんなに単純にできていないから、届かない。それに気づくと急いで他の「ラクに手に入りそうなもの」を探し、見境なく手を伸ばして途中でやめる。それを繰り返していたから、すっかり自分に自信がなくなってしまったのだと思う。私は失敗さえしていなかった。けれどそれがわからなかったから、劣等感だけが生まれた。「どうせ変われないじゃん」という諦めが自分を縛り「変わりたいと思っていない」という気持ちから「変わってはいけない」という支配へと変化する。

 簡単には変われない。すぐに怠けて楽なほうに流され、「あーだめだ…」と自己嫌悪する。それを認めよう。慌てたり急いだりするのもやめよう。これまで色々なことを焦りすぎていた。若さを失ったって自分を失うわけじゃない。ちやほやされなくなったって女じゃなくなるわけじゃない。年を取ることより、ずっとこのままでいるほうがもっと怖いのだ。
    
 小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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