随想 空即空(連載131)兵役拒否を巡って

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随想 空即空(連載131)兵役拒否を巡って

清水正 

 宗次郎は鑑三に言われるまでもなく良心に従って兵役拒否を決意したのではなかったか。しかし、鑑三の教訓は宗次郎に兵役拒否を撤回させることになった。そして鑑三はそのことを喜んだ。鑑三は宗次郎に兵役拒否を思いとどまらせるために、わざわざ花巻までやってきたのだから当然である。しかし宗次郎の兵役拒否を確認した上での「良心の命令であるならば、やれ」である。見ようによってはこんなに残忍な言葉もない。

    鑑三は自分の立場を明確にしていない。鑑三は非戦論を繰り返し発表していたが、兵役拒否に関しては一度も明言していない。兵役拒否を決意した宗次郎は鑑三に向かってなぜ兵役拒否を宣言しないのかと問いつめることもできたはずである。しかしすでに指摘したように、宗次郎にとって鑑三は巨大な存在であり過ぎた。鑑三はここでも自分の立場を明確にせずに、宗次郎にのみ良心に基づく覚悟の表明を求めている。これは卑怯者のすることである。だが、だれもそのことを指摘しないし、糾弾しない。鑑三は宗次郎ばかりか多くの弟子や研究者にとっても批判的言辞をはばかるカリスマ的存在と化していたのであろうか。

 非戦論を発表し、非戦論を演説したところで、自らに直接的な危害が加えられるわけではない。それは所詮、書斎派の理想論の表出の次元にとどまる。非戦論と兵役拒否を結びつけ、処刑をも覚悟した宗次郎こそ真のキリスト教徒と言える。宗次郎は鑑三の教訓の欺瞞に屈せず、自らの決意を全うすべきであった。そうでなければ、宗次郎の兵役拒否は〈良心〉に基づくものではなかったという事になってしまうではないか。

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