随想 空即空(連載126)兵役拒否を巡って

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随想 空即空(連載126)兵役拒否を巡って

清水正 

 内村鑑三は「戦争廃止論」(明治36年6月30日『万朝報』)で次のように書いている。

 

  余は日露非戦論者である許りでない、戦争絶対的廃止論者である、戦争は人を殺すことである、爾うして人を殺すことは大罪悪である、爾うして大罪悪を犯して個人も国家も永久に利益を収め得やう筈はない。

      *   *   *   *   

  世には戦争の利益を説く者がある、然り、余も一時は斯かる愚を唱へた者である、然しながら今に至て其愚の極なりしを表白する、戦争の利益は其害毒を贖ふに足りない、戦争の利益は強盗の利益である、是れは盗みし者の一時の利益であって、(若し之れをしも利益と称するを得ば)、彼と盗まれし者との永久の不利益である、盗みし者の道徳は之が為に堕落し、其結果として彼は終に彼が険を抜て盗み得しものよりも数層倍のものを以て彼の罪悪を償はざるを得ざるに至る、若し世に大愚の極と称すべきものがあれば、それは剣を以て国運の進歩を計らんとすることである。

 

      *   *   *   *

  勿論サーベルが政権を握る今日の日本に於て余の戦争廃止論が直に行はれやうとは余と雖も望まない、然しながら戦争廃止論は今や文明国の識者の輿論となりつゝ、爾うして戦争廃止論の声の揚らない国は未開国である、然り、野蛮国である、余は不肖なりと雖も今の時に方て此声を揚げて一人なりとも多くの賛成者を此大慈善主義のために得たく欲ふ、世の正義と人道と国家とを愛する者よ、来て大胆に此主義に賛成せよ。(50~51)

 

 わたしはこの論考を岩波書店が編纂した『非戦論』で読んだ。『非戦論』には六十五編の論考が収められているが、読んでいる間じゅう、白々しい気分に襲われていた。書いてあることは、今日の人道主義に則った〈正論〉であるが、もはやこの〈正論〉自体が空々しいものと化している。今も現に戦争は続いている。ジャーナリズムは戦争の本質論を宗教、哲学の次元でとらえることはない。その大半は戦局をめぐる情報である。テレビや新聞で鑑三やトルストイの非戦論を取り上げることはないし、キリスト教徒や仏教徒がテレビのコメンターとして呼ばれることもない。

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