随想 空即空(連載48) #ドストエフスキー&清水正ブログ# 清水正

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随想 空即空(連載48) #ドストエフスキー清水正ブログ#

清水正

 

 イエスの死は当然の事として認めることができるが、復活は認めがたい。ひとは死んだらどうなるのか、生きている者で明確に答えられる者はいない。わたしは天国も地獄も現世のものであって、それをもっともらしく語る者の言葉を信じない。ドストエフスキーは『罪と罰』で〈ラザロの復活〉朗読の場面を描いているが、ソーニャの前に跪いたロジオンであっても、ついに彼はイエスの言葉に肯くことはなかった。イエスが〈命〉であり〈復活〉であることを、ソーニャはマルタの言葉に乗せて肯定する。『罪と罰』を読んで、ソーニャがキリストを信じていることを疑う者はいないだろう。しかし、人類の全苦悩を背負って生きているソーニャに跪くことのできたロジオンが、ソーニャと同等の信仰者と見る者はいないだろう。わたしは『罪と罰』を読んでキリスト者になった者を知らない。キリスト者が『罪と罰』を読んでその信仰を強めた者はいるかもしれない。しかし、わたしは『罪と罰』を熟読すればするほど、キリスト教の信仰に埋没することはできない。

 ドストエフスキー文学を愛読した小説家、詩人、批評家の中でキリスト教に帰依した者がいるのだろうか。若い頃、ドストエフスキー研究会まで主宰した坂口安吾は『悪霊』を越えるほどの作品を書こうとして悪戦苦闘した。詩人の萩原朔太郎ドストエフスキー体験は本物だが、しかし彼もまたドストエフスキーの信仰に同一化することはできなかった。小林秀雄ドストエフスキー研究をライフワークとしながらも、キリスト教の信仰に躓いた。椎名麟三ドストエフスキー論も執筆した小説家だが、彼のドストエフスキー理解は作品の神髄を射抜いているとは言い難い。ドストエフスキー全作品の中で日本の小説家が最も関心を抱いたのは『悪霊』で、横光利一などは内弟子が訪れる度に『悪霊』を読むことを勧めていた。が、日本の小説家、詩人、批評家それに研究家も含めて『悪霊』の秘密に肉薄した者はいない。先に触れたように、わたしが信じられる者は、ドストエフスキーの諸作品を熟読して〈キリスト者〉となった吉村善夫だけである。彼は自らの魂をもってドストエフスキーの作品を読んでいる。わたしはドストエフスキーをいくら読んでもキリスト者になることはないが、吉村善夫のドストエフスキーに立ち向かったその実存的真摯さには敬服の念を抱いている。

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お勧め動画池田大作氏の「人間革命」をとりあげ、ドストエフスキーの文学、ニーチェ永劫回帰アポロンディオニュソスベルグソンの時間論などを踏まえながら

人間のあるべき姿を検証する。人道主義ヒューマニズム)と宗教の問題。対話によって世界平和の実現とその維持は可能なのか。人道主義一神教的絶対主義は握手することが可能なのか。三回に分けて発信していますがぜひ最後までご覧ください。

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清水正研究」No.1が坂下ゼミから刊行されましたので紹介します。

令和三年度「文芸研究Ⅱ」坂下将人ゼミ

発行日 2021年12月3日

発行人 坂下将人  編集人 田嶋俊慶

発行所 日本大学芸術学部文芸学科 〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1

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表紙

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