帯状疱疹後神経痛と共に読むドストエフスキー(連載2) 師匠と弟子

近況報告

毎日のように動画を観ているが、ここ五、六年観続けているのが桜井誠氏(日本第一党党首)と安濃豊氏(アジア解放戦争史観を主張)の配信している動画。両氏ともに自らの思想にブレがない。桜井氏は今回の都知事選にも立候補したが、氏をいっさい放映しないテレビメディアに対して妥協のない闘いを宣言した。この動画は 「雑誌研究」受講者にも観てもらい感想を寄せてもらったが、誰も桜井氏の存在を知らなかった。若い世代がテレビを観ないといっても、無限に配信されている動画から観るべきものを選択するのはきわめて困難ということも痛感した。国のトップの明確な国家ビジョンがまったく見えてこない。政財界のトップも同じである。冗談でなく、今、もっとも自分のビジョンを明確に示し、決断力を発揮しているのはユーチューバーのヒカル氏である。彼はまだ29歳と若い。彼が大いなるビジョンのもとに政財界でも成長してもらいたいと思う。 八月に入って予約しておいたロコンドの靴、白と黒の二種が届いた。わたしはヒカル氏の男気に惚れているので、彼の企画にはささやかながら応援させてもらっている。

 

帯状疱疹後神経痛と共に読むドストエフスキー(連載2)

師匠と弟子

清水正

 わたしは母校に残ったが、指導教授との折り合いが悪くなり、窓際に追い込まれ、いっさいの仕事をしてはならないと申し渡された。そこでわたしは学生の何人かとドストエフスキーの読書会を開くことにした。

 わたしのような人間を職場において干すということは土台無理である。そもそもわたしは大学に残ったその時に、学科事務室の奥に陣取り、衝立で囲んで閉じこもった。最低限の学科事務はこなしたが、そんな雑務を仕事と思ったことはない。わたしは当時副手だったが、副手は「教授、助教授の命を受けて研究に勤しめ」ということであった。わたしはそれに忠実であったにすぎない。雑務から解放されて好きなことができるのだから、こんな好都合なことはない。それにしても、せこい〈いじめ〉であったことにはちがいない。

 読書会は毎週土曜日の午後と決めてはいたが、すぐに場所は江古田や池袋の居酒屋へと移った。当時、毎日のように通ったのが池袋にあった玉淀という居酒屋であった。大阪の大学を卒業して日芸文芸学科に入った浜田章が師範代、京都大学を二度受験して失敗した田代貴敬(灘玄海)が清水正全集刊行委員長、早稲田大学から編入学してきた南保雅樹は幹部、坂口安吾が好きでデカダンを気取っていた小島良孝が一番弟子。ほかにも弟子はつくったが、この四人が当時、わたしの側にいた弟子である。彼らはわたしが直接、弟子にした者たちであって、彼らの意向などいっさい聞いたことはない。あくまでもわたしが一方的に弟子にしたのであって、彼らはわたしについてきたが、腹の中でなにを思っていたかはまた別問題である。 

 居酒屋で酒を飲んでいるうちに、雑誌を作ることになった。ドストエフスキーに関するもので、テーマは自由にしたが、南保には「マルクスドストエフスキー」というテーマを与えた。枚数は彼に限って百枚。締め切りは夏休み終了後。約束を守ったのは浜田、田代、小島。南保は書けなかったと言ってきた。一週間の余裕を与えた。もしできなかった場合は二度とわたしの前に顔を出さないようにと申し渡した。一週間後、南保は七十枚の原稿を持参した。こうして「ドストエフスキー狂騒曲」創刊号は刊行された。印刷製本費用は同人各自がアルバイトで稼ぎ出した。

 さて、一人だけ、読書会には参加していたが雑誌には参加しなかった者がいた。彼は何度、アパートに電話しても出なかった。彼はわたしの前から姿を消した。雑誌が何号か出た頃、彼から一通のはがきが届いた。彼はわたしたちの動向をずっと陰からのぞいていたらしい。

 一週間に五日も六日も一緒に酒を飲み、文学の話などしていると、どういうわけかいちいち会う場所など確認しなくても、偶然会うことが多くなる。田代と神田の古本屋を歩いていると、反対側の道路を小島が歩いていたりする。単なる偶然とは言えないようなことが重なる。

 

清水正への講演依頼、清水正の著作の購読申込、課題レポートなどは下記のメールにご連絡ください。
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ドストエフスキー文学に関心のあるひとはぜひご覧ください。

清水正先生大勤労感謝祭」の記念講演会の録画です。

https://www.youtube.com/watch?v=_a6TPEBWvmw&t=1s

 

www.youtube.com

 

 「池田大作の『人間革命』を語る──ドストエフスキー文学との関連において──」

動画「清水正チャンネル」で観ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=bKlpsJTBPhc

 

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これを観ると清水正ドストエフスキー論の神髄の一端がうかがえます。日芸文芸学科の専門科目「文芸批評論」の平成二十七年度の授業より録画したものです。是非ごらんください。

ドストエフスキー『罪と罰』における死と復活のドラマ(2015/11/17)【清水正チャンネル】 - YouTube

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