星エリナのほろよいハイボール(連載120)

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星エリナのほろよいハイボール(連載120)

お雛様は買わせない
星エリナ
 

 私のお母さんは四人兄弟の末っ子。上から「女」「男」「男」「女」。それぞれが結婚して、二番目のお兄さん以外は二人ずつ子どもを産んだ。二番目のお兄さんは一人息子がいる。私は末っ子が産んだ末っ子。つまりイトコのなかで一番年下ってこと。一番上の従姉妹にはもうすぐ小学生の息子がいて、二番目の従姉妹は昨年女の子を産んだ。すでに結婚している従姉妹が三人。彼女と半同棲しているのが一人。私が確かに一番年下なんだけど、このまま私だけ結婚できなかったらどうしよう、とか、やっぱり私だけ独身もしくはバツイチになるんだろうなー、とか考えて不安になっちゃう。
 結婚って幸せそうだなぁ。親戚一同での旅行でも思ったけれど、旦那さんを連れてきた従姉妹はなんだか優しい顔つきになったな、って思ったし。もうすぐ小学生の男の子は可愛いし可愛いし。でもやっぱりそれだけじゃないみたい。
 二番目に年上の従姉妹が産んだ女の子はほんっとうに可愛い。生まれたときは小さすぎて心配だったけど、すくすくと大きくなって、私の抱っこも嫌がらない。可愛すぎる。旦那様は福島県の生まれで、従姉妹とは大学で出会った。結婚式で「どうして今のお嫁さんを選んだんですか?」という質問に対して、「大学で一番可愛かったから」と答えるとっても頭がいいのに正直者で、堂々と面食い宣言した旦那様。でもとっても素直だから、会話も楽しいし、コミュ力が素晴らしい。
 二人の間にできたのは天使のような女の子。さて、そこで問題は起きたのです。
 もうすぐひなまつり。女の子の大切な節句雛人形はお嫁さんのお母さんが買ってあげるのが正しいらしい。つまり四人兄弟の一番上の「女」、私のおばさんにあたる人。しかし、このおばさん、かーなーりーケチ。ものすごーくケチ。私はケチを全否定はしていない。女の子は少しケチでしたたかでなくては生きていけないと思っている。だけど、度を越えている。そんなおばさんは、雛人形を買わずに、お下がりで良いのでは、と言いはじめた。確かに、お母さんの雛人形を娘に、を繰り返し、伝統を守っている家系もあるらしい。だけど、おばさんは一番上の従姉妹(小学生の男の子がいる)の雛人形を譲るといい始めたのだ。まぁ、物はとっても良い物らしいから、人形自体に何か問題があるわけではない。だけど、それってどうなの!?
 しかも、二番目に年上の従姉妹は「別にいいんじゃなーい」と気にしていない。いっつもふわふわで天然でぽけーっとしている。だけど旦那様は気にする人だった。田舎のほうって伝統行事とかしっかりやっているし、気になるんだと思う。私の祖母も福島の人間だけど、絶対嫌がる。本人は良いのかもしれないけれど、そういうのって後で親戚からグチグチ言われたりするかもしれないし、ちゃんとしておいた方がいいと私も思う。すると旦那様のお母様が買うと言いはじめた! 買ってくれるんだ、ラッキー。なんて単純な話じゃない。ここで出来たお姑さんとの溝がいつか致命的な傷になるかもしれない。それくらい女の子にとって大きな問題。
 そこでようやく危機感を感じたのか、おばさんは雛人形を買うことにしたらしい。なぜか私が安心。向こうのお母様に買わせちゃったら、後々怖いもんねえ。


  



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