小林リズムの紙のむだづかい(連載225)

小林リズムの紙のむだづかい(連載225)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載225)
小林リズム
   【冷凍本】


   

 好きな人に借りた本が雨にぬれてふやけてしまった。
 本は洋服を買ったときにもらった白地に金のロゴが印字された紙袋に入れていて、うしろからやってきた自転車を避けようとしたら、うっかり落としてしまったのだ。運の悪いことに地面はちょうど水たまりで、中に入っていたプリントやファイルにはさまった資料などもぐしょぐしょで、思わず「うわ…」と色気のない小さな悲鳴をあげてしまった。

 まっさきに救い出した本はすでに手遅れ状態。紙が雨をぐんぐんと吸収している最中だった。慌ててハンカチを押し付けてもまるで意味がない。家に持ち帰ってドライヤーで乾かしたものの、文庫本のページは一定の間隔を保ってきれいに波打ち、明らかにぬれた過去を持つ疲れた表紙になってしまった。

「ねえ、これって正直に伝えるべきかな。それとも、新しいのを買って何事もなかったように返したほうがいい?」
救いを求めて友達に連絡をすると、彼女は呆れた声で
「そんなの、正直に伝えて新しいものを買って返すのがいちばんいいに決まってるじゃん」
とまっとうなことを言うので、うっと言葉に詰まる。
「でも、そうしたらもう貸してくれなくなるかもしれないし」
とぶつぶつ文句を言うと、自分のせいなんだから仕方ないでしょ、という言葉が返ってきたので余計に傷がえぐられた。だってさ…、でもさ…、とぐだぐだと言い訳を並べているうちにあっさりと話題を変えられて、すっかり彼女に話の主導権を奪われてしまった。どうでもいい男の話と、その人がいかにケチだったのかということ、図々しく迫ってきたエピソードなんかを聞いていたら、くだらなさに笑えてきていっしょに突っ込み合った。なにそれ、ありえないねー。うそ、信じらんない…!と少しだけ気持ちが明るくなりかけてきたとき、思い出したように友達が
「あ。そういえば。ぬれた本は冷凍庫に入れておくと元通りになるって聞いたことがある!」
と言うので、さっそく試してみた。

 …という長い妄想。(笑)
好きな人に借りた本を冷凍するって、恋心も冷凍されそうで、なんかすごいよね。ちなみに、ぬれてふやけた本って冷凍庫に入れると本当に元通りになるのでお試しあーれ。

 

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
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