小林リズムの紙のむだづかい(連載207)

小林リズムの紙のむだづかい(連載207)
清水正への原稿・講演依頼は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお申込みください。ドストエフスキー宮沢賢治宮崎駿今村昌平林芙美子つげ義春日野日出志などについての講演などを引き受けます。

D文学研究会発行の著作は直接メール(qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp) で申込むことができます。住所、電話番号、氏名、購読希望の著書名、冊数を書いて申し込んでください。振込先のゆうちよ銀行の番号などをお知らせします。既刊の『清水正ドストエフスキー論全集』第一巻〜第六巻はすべて定価3500円(送料無料)でお送りします。D文学研究会発行の著作は絶版本以外はすべて定価(送料無料)でお送りします。なおД文学研究会発行の限定私家版を希望の方はお問い合わせください。
清水正の著作はここをクリックしてください。

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四六判並製160頁 定価1200円+税

京都造形芸術大学での特別講座が紹介されていますので、是非ご覧ください。
ドラえもん』の凄さがわかります。
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清水正へのレポート提出は  qqh576zd@salsa.ocn.ne.jp 宛にお送りください。


小林リズムさんが八月九日「ミスID」2014にファイナリスト35人中に選ばれました。
http://www.transit-web.com/miss-id/


小林リズムの紙のむだづかい(連載207)
小林リズム
 【ここじゃないどこか病を患って】
  動けない 5階の高さだけがリアル

 大学生のころ、俳句のゼミ誌にこんな思わせぶりな句を載せた。まるで自殺を連想させるような句だよなぁと、我ながら思う。
 18歳のころから家のベランダが好きで、それは22歳になった今も同じで、100円ショップで買ったベランダ用のサンダルを突っかけてよく景色を眺める。人が動いているのも、車が通るのも、見ているとほっとする。当たり前だけど、自分と無関係な場所でも世界はふつうに動いているのだ。知らない人が山ほどいて、わたしのことを知らない人もたくさんいるとわかると、なんだか嬉しくなる。

 在学中に最近の若者、特に夢追い人を皮肉ったコラムを書いたことがあった。「自分の置かれた環境に満足できず、目の前にある仕事を放棄。自分らしい生き方や仕事はここじゃねえ!と中途半端に転職を繰り返す。自分が何もできない人間なのを認められない」というような内容だった気がする。
 そのときわたしはもう何度目かの新しいバイト先に変えていて、そろそろひとつの場所に腰を据えて真剣に仕事をしてみなくては…という自らの焦りから書いたのだった。自分の場所を確定させなければならない、自分らしさとか青くさいことを言っている場合じゃない。だってもう、子どもじゃないんだから。好きなことばかりもしていられないのだから。新卒生募集企業がずらりと並ぶ就活サイトを前に、「わたしの欲しかった未来はこのなかにあるんだ…」と思い込んだ。

 とまあ、そうやって書いたのにもかかわらず、わたしはあっけなく正式な社会人コースをはずれてしまって今に至る。向き合うことから逃げた結果がこれなのだと思う。人はいきつく場所に行き着く。それが良い場所であろうとなかろうと、自分で流れるように選んでいるのだと思う。
 “ここじゃないどこか”があるのだと信じないと、今をやり過ごせない。そんな気持ちをスルーして、さらりと皮肉ったことを書いた21歳の自分。置かれた環境に満足できない!自分が何もできない人間なのを認められない!あなたは1年後もまだこんなことを言ってます。未だに“ここじゃないどこか”に行ける気がしています。根拠もない自信だけを全開にして、行けるとこまで行くつもり。

 

小林リズムのブログもぜひご覧ください「ゆとりはお呼びでないですか?」
http://ameblo.jp/nanto-kana/

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