星エリナのほろよいハイボール（連載13）

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星エリナのほろよいハイボール（連載13）
　崖っぷちを歩く

　私の人生いつだって崖っぷち。なんてヒロインぶったこと言いませんよ。だいたい私の人生崖っぷちなんてなかったと思う。嫌味に聞こえるかもしれないけれどすごく楽しい人生だ。好きなことを好きなようにして、好きな大学にも進学できた。好きな職種につけるかはまだわからないけど。

　大河ドラマ「八重の桜」で有名になった福島の会津。ここは白虎隊でも有名になったことがある。歴史がとても有名な地である。ハンサムウーマンとしての八重を売り出す一方、今はやりのゆるキャラで攻めようと、「八重たん」というキャラクターができた。ピンクの髪に白いはちまき、腰には刀を差しているけどどこからか取り出した鉄砲も使えるようだ。福島のサービスエリアには八重たんクッキーをはじめ、八重たんのばうむくうへん、八重たんの三段餅、八重たんのほほえみ(イチゴ大福)、八重のふるさと(スイートポテト)、八重の桜物語(お城のかたちのケーキ)などなど。とにかく八重たん推し。まちおこしって、お金かかってるんだろうなあー。でも、ちゃんとお金儲けしてるんだろうなあー。
　会津には観光名所が実はたくさんある。白虎隊記念館はもちろん、鶴ヶ城天守閣、さざえ堂、野口英世青春館などなど。そのなかでも私がおすすめするのが、塔のへつり。南会津にある景勝地である。全長200メートルにわたって大きな岩が整列している。長い吊り橋で大川を渡ると、岩を彫ってできた通路を歩くことができる。といっても幅1メートルぐらいの細い道で手すりなどはなく、10メートルほど下には川が見える。まさに崖っぷち。
　ちなみに「へつり(岪)」というのは会津方言で川に迫った険しい断崖のことを現す。だから本当に崖っぷち。私はそこを歩いてきたのだが、とにかく怖かった。高いところもまず怖い。7センチヒールのサンダルで歩いちゃったらもう足が震える震える。人が多くてすれ違うのが難しい。
　確かに遠くから見ると絶景である。しかしなぜあんな崖を歩こうとするのか。まったくもって理解できないし、歩いた後も理解できなかった。もしよかったら、行ってみたらどうでしょう。あのスリル、体験してみては。

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